土曜ドラマ「はげたか」と改正会社法Ⅱ

 先週の水曜日(3月7日)の読売新聞の夕刊に、「企業買収ドラマ 異例の反響」と題して、NHK土曜ドラマ「はげたか」について掲載されていた。
 硬派な経済ドラマに、番組への意見の投稿は300件以上、大河ドラマを上回っているという。
 実は、unizouも先日ブログに取り上げたところだった。
 最近、実は診断士受検502教室にリンクを張らせていただきながら、はてなのカウンター機能を使って調べると、検索語 「はげたか」がURL「502教室」より多くなっていて非常に恐縮している。
 ちなみに、Googleで「はげたか」を検索すると5番目にヒットする。
 最近、診断士受検にはあまり関係ない?ネタが多い中で、今日も懲りずに書かせていただこうと思う。
 さて、昨年会社法が改正される前に会社法の大改正があったのは、1990年(平成2年)の4月になる。
 既に17年前を経過したということになるのだが、そのときの改正と今回の改正はまるで正反対のような気がする。
 その当時読んだ早稲田大学法学部酒巻俊雄教授の著書「改正会社法の理論と実務」:(株)ぎょうせい刊によると、

 株式会社は、本来公開性の大規模企業のための会社形態と考え、その利用をこのような企業に限定する目的で構想され、この意味での最低資本金が法定されると、株式会社形態をとるものは、まさにその名に値する株式会社らしい会社だけに限られる。

 また、有限会社については、こう述べている。

 最低資本金制度は、有限責任の適正な利用のための基礎的な条件としての意味は、資本的基礎の強固な会社を設立せしめることで零細企業による会社濫設の弊害を抑制し、会社債権者の保護に資することにある。
 中小会社では、会社濫設の実態があり、会社法人格の濫用や責任の有限性の不当な主張といった有限責任の濫用事例が多く、会社債権者保護の観点から、そのような弊害を是正し防止する必要がある。
 株式会社や有限会社は、社員の有限責任性を原則としているが、この有限責任は最終的に会社債権者に迷惑をかけることを前提とした制度であることから、有限責任を享受するために法整備をした。従来は、小規模企業の債権者は、会社が破綻した場合には自ら取締役の個人責任を追及する以外に方途がない。

 しかし、今回の改正で最低資本金制度はなくなった。
 では、当時の問題が解決されているのかというと、決してそんなことはない。
 会社として設立された以上、どんな規模の会社であれ、公共性が高くなる。
 会社が上場企業(パブリック)であろうとなかろうと、公共性のある存在には変わりないと思う。
 取締役の報酬の決定を自ら行うことを、“お手盛り”というそうだが、何でもお手盛りで決められ、倒産したときには、何にも残っていなかった?といったことがないようにしていただきたいものだ。
 unizouが思うに、最低資本金制度の撤廃は良しとしても、計算書類の公開の徹底と外部会計監査の徹底、粉飾をした場合についての罰則の強化と監視の徹底が必要だと思う。
 そうでなければ、所詮株式会社という服を纏っているだけで、個人事業主となんら代わりがないのだと思っている。
 そして、個人事業主のほうが、無限責任であることからすれば、潔さを感じるのだが・・・。