JAL対ANA

 ここのところ、連日JALの経営再建に向けたニュースが報道されている。
 昨日報じられたのは、西松遥社長が、今後1年間、自身の年収を部長級の最低ラインにあたる960万円にすると宣言したニュース。「退路を断ち全力を尽くす」と述べ、10年度までに株主配当を復活できない場合は辞任する意向を示した。 それに先立って、2日に発表された主力取引銀行に対する中期経営計画の最終案は、国内、国際線計11路線の廃止など、増減便を含む路線再編で計130億円の収支改善を図るほか、国内外7ホテルの不動産保有会社の株式を計750億円以上で売却することなどを柱としている。
 JALの業績悪化の主な原因は、原油高に伴う燃油費の高騰に加え、相次ぐ運航トラブルや経営陣の内紛などで顧客離れが起きたことにある。
 最近unizouの回りでもJALを利用する人がめっきり減っているし、そう言うunizou自身、以前はJALマイラーだったが、今ではすっかりANAマイラーだ。
 一連の改革うち、安全対策面について次のような制度を導入するという。それは、トラブルや事故の原因を正確に把握し再発防止につなげるため乗客が死亡するような重大事故でもパイロットや整備士らの人為ミスが原因の場合は、原則的に当事者を懲戒処分にしない制度。会社側と社員の信頼関係を作り、トラブルを迅速、正確に報告してもらい原因究明を優先することが狙いで、欧米の航空会社では一般的な制度だそうだが、日本の公共交通機関では初めてなのだそうだ。
 unizouは常々、部下に自分の成功体験よりもむしろ、失敗談を語ることが大事だと考えている。
 成功体験は、比較的社内誌やマニュアルで取り上げられる機会もあって、自然と目にとまる。
 しかし、失敗談にこそ、ケーススタディのエキスが詰め込まれているように思う。
 そのとき自分ならどうしただろうか、どうすればよかったのだろうかと考えてもらうことが、部下のスキルアップにつながると願っている。
 もちろん、unizouの仕事は、直ちに人命に関わるような仕事ではない。だから置かれている状況の逼迫度は随分と違うことは重々分かっている。しかし、失敗談を自由に語り合えるような雰囲気の職場を作っていきたいといつも思っている。
 JALの2006年9月の中間連結決算は、保有株の売却等で、15億円の税引き後利益を確保したが、過去最高益を更新したライバルのANAとの業績の開きは著しい。
 上記施策をもって、顧客の信頼を回復するに至るか、unizou自身、JALマイラーに戻れるか、興味深く見守っていきたい。