クレーマー・クレーマー
友人の奥さんが脳梗塞で倒れ、しばらく入院していた。
不幸中の幸い、倒れた場所が自宅だったため、すぐ救急車で病院で手当をしてもらうことができ、闘病生活の結果、このたび退院することになった。病院へリハビリに通いながら、自宅で療養する生活に入るという。友人自身も精神的にも体力的にも大変だったのだろう、10キロも体重が落ちたそうだ。
退院の朗報を聞き、お花を贈ることにした。
早速、退院の日、自宅に着く頃お花が届くよう手配しようと試みる。
退院の日は日曜日、そして手配したのは金曜の夜。
ネットショッピングでお花を届けるサイトはかなりあるが、土日は仕入れをしない、遠方には最低4日前に注文しなければダメなどの障害があり、なかなか手配できずにネットサーフィンを続けた。かれこれ1時間くらい要しただろうか、ようやくお届け可能なページを見つけられた。
次に花材選び、退院といっても療養は続くため、あまり華美すぎず、元気がでるようなイメージで探す。生け花を今も続けているが、自分のセンスのなさが嫌になる。結局春を先取りして、オレンジがかった赤のチューリップの花束に決めた。用途が退院祝いであることも伝えた。
翌土曜日の朝、携帯に花屋さんから電話、何でも在庫不足でチューリップの色が濃いピンクに変更になるという。了解と返事をし、電話を置いた。
週が明けて月曜日、友人からお礼の写メールが届く。見てびっくり!色の変更は事前に承知していたが、花材がチューリップはチューリップでも、花びらが八重のチューリップなのだ。Unizouが注文したのはいわゆる普通の一重のチューリップ。これでは華やか過ぎて、イメージが随分違ってしまう。お祝い事はお祝い事でもまだまだ友人の大変な日々は続くわけで、かえって失礼に当たらなかったかと心配になった。
迷った挙句、花屋さんに対し、色変更の連絡の際に、花材も八重に変更なる旨どうして伝えてくれなかったのかクレームをメールで書いた。
返事は以下の通り。
unizou様
お世話になっております。フラワーショップ○○です。
この度は、お電話での花材確認の際、スタッフの説明不足によりご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ございませんでした。
八重のチューリップは通常のタイプよりも高級感があり、とても人気のお花ですが、お電話の際に念のためunizou様にお伝えするべきでした。
お客様からの直接のご意見が、弊社のサービス改善への一番の早道だと思っております。
今回はご連絡を頂きましたこと、大変感謝しております。
フラワーショップ○○
花屋さんからすれば、高級感、人気があるゆえ、良かれと思ってしたことかもしれない。
しかし、せっかく注文画面に用途を聞く箇所があり、一口に退院祝いといっても、再入院のリスクがある場合だってあるし、しばらく通院する場合だってある。より顧客の身になって、些細なことでも連絡してもらえたらありがたいと思うのは、単なるわがままだろうか。