空間権の有効利用

 都内で空地ができると、あっという間にコインパーキングに早変わりする。
 次なる用途が決まるまでの暫定的措置なのかもしれないが、簡易な設備ですぐに商売できる、コスト&メリットの観点から、更地のコインパーキング利用は、有効利用法のようだ。
 日経新聞の販促冊子「日経4946(ヨクヨム)FILE」2月号の表紙に掲載されていたのは、新ビジネス空間「屋外駐車場が空中店舗に!」。
 東京・赤坂のオフィス街の一角に2006年11月にオープンした豚肉料理店の「黒豚劇場」(http://r.gnavi.co.jp/a503008/)は、屋外駐車場の上部空間を活用した空中店舗だそうだ。
 この空中店舗の建築企画・不動産開発を手がけるのは、(株)フィル・カンパニー(東京都千代田区http://www.philpark.jp/)とアルミ製住宅などを手がけるSUS(エスユウエス)(株)(静岡市清水区)で、都市部において使用されていない「空中権」を活用した賃借事業「フィル・パーク」の開発を行っている。
 「フィル・パーク」とは、狭小地などを利用した屋外駐車場の「空中権」に着目した事業。
 駐車場の所有者に使用料を支払い、空間権を借りて、店舗を作り、それを貸し出す。
 その店舗とは、駐車スペースの上部に、アルミフレームを用いた、立体空間を構築し、事業用不動産を創り出すというもの。用途としては、オフィスや実験店舗、サロン、スタジオなどが想定され、多様なビジネス用スペースを提供できるという。工期も短くてすむ。
 確かに、ここのところの都市部は地価が上昇傾向にあり用地不足だといわれる。そんな中、都内にある青空駐車場は約3万ケ所もあるという。
 色々なところにビジネスチャンスはあるものだ。地上権ならぬ空中権とは…、柔軟な頭でいないとチャンスは逃げて行くなぁ。