スーラとアクオス

 昨年末、unizouの家に、三重県亀山工場、フルスペックハイビジョンで有名な液晶テレビSHARPアクオス」がやってきた。
 噂どおりの大迫力画面に驚かされている。
 アクオスのTVCM「世界の名画」シリーズ第4弾は、「点描」のパイオニア、スーラの「グランド・ジャッド島の日曜日」、今年の正月から放映されている(http://www.sharp.co.jp/products/cm/tv/tv117.html)。
 CMは、点描のきめ細かな筆づかいと、現在のグランド・ジャッド島の映像を交え、アクオスのフルスペックハイビジョンの素晴らしさを伝えている。
 この作品、実物はシカゴ美術館に収蔵されているのだが、unizouは本物を鑑賞したことがある。
 スーラは、新印象派に分類される19世紀のフランスの画家。
 印象派の画家たちの用いた「筆触分割」の技法をさらに押し進め、光学的理論を取り入れた結果、点描という技法にたどりついたという。
 スーラは完成作を仕上げるまでに多数の素描や下絵を制作して、入念に構想を練った。
 また、点描の大作を仕上げるには相当の時間を要したことと思われる。
 こうした制作方法に加え、31歳の若さで没したこともあって、作品の数は多くはない。
 スーラは、1884年に生涯最大の大作で代表作でもある「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の制作に着手したそうだ。
 パリ北郊、クールブヴォア付近にあるセーヌ川の中洲に集う50人ほどの人物(1人として目を合わせている人物がいないと言われる)を点描で描き出したこの大作は、1886年の第8回印象派展(最後の印象派展)に出品されて話題となった。シカゴ美術館でも一、二を争うほどの名作であり、人気作品である。
 このスーラの作品を、アクオスのCMに起用したSHARPは、実にセンスがいいと思う。
 スーラが描く点で描く光と色の世界は、まさに液晶テレビの仕組みに通じるものがあり、とてもいいCMに仕上がっている。
 近くで見れば、点・分子レベルの結晶にしか見えないもが、適度な距離を離れると絵・画像として鮮明に浮かび上がってくる。
 年末年始に、映画を見まくったunizou。
 その秘密は、スカパー110のデジタル放送の16日間無料サービスに即効申し込んだからだった。
 もうサービス期間はとうに渡過してしまい、なんとも宝の持ち腐れのアクオスとなっている。