オージーの町

 先日、所用があって、朝一番の飛行機で羽田から伊丹に向かった。
 始発は、日本航空の6:30発だ。久しぶりに朝5時台の電車に乗って空港へ向かう。
 車内には、市場へ向かうのだろうか、大きなかごをもっている男性が数名いたほか、空港に近づくにつれて増えてきたのは、スキー板、スノボーを持つ人々だ。
 5時台の電車なのに、これから向かう先での楽しみが待ちきれないかのように、車内はウキウキした雰囲気に包まれていた。
 びっくりしたのは、スキー板を持つ外国人が多く見受けられたこと。
 彼らはどこでスキーをしようと言うのだろうか。
 そこであることを思い出した!
 それは、昨年国土交通省の発表で、「地価上昇率日本一」となったのが、ニセコを抱える倶知安町だったこと。
 何でも9.11のテロ以来、ここを訪れる主としてオーストラリア人のスキー客が急増し、そのためのコンドミニアムの急増が大きな要因だったとか。今や、ゲレンデ、コンビニ、レストラン&バーのどこもオージーがいっぱいで、さながら日本ではないような町と化しているそうだ。英語メニューを用意するレストランも少なくない。
 確かに、北半球の冬は南半球の夏、夏のオーストラリアでスキーを楽しむとなれば、当然北半球へ出かけるしかない。これまではヨーロッパや北米へ出かけていた彼らだが、時差が1時間、9時間前後のジェット機のひとっ飛びでパウダースノーにありつけるのが北海道とあれば、これを利用しない手はないというのが、オージー増加の要因であり、その需要を見込んだ建設ラッシュが、地価高騰へつながった。
 ニセコアンヌプリの北西の麓には温泉もあるほか、新鮮な魚介たっぷりの丼も訪れる観光客を魅了している。
 数年までは予想もしなかった外国人観光客の大挙。その足は当分衰えなかろう。どこにブームが眠っているか、予測するのは本当に難しい。