診断士のフィールドと税理士2

 診断士の資格を目指しながら、実際に診断士に会ったことは一度もない。(ただし、資格の学校などの講師の先生方は別)
 世間では、これから確定申告が始まり、「申告は税理士に!」といったようなことを日常茶飯事に耳にするなど、税理士も同じように一生のうち数回程度しか会ったことがないのになんとなく親近感があるのと比べると大違いである。
 診断士の登録者数は約18千、それに比べて税理士の登録者数が約70千人と差があるにしても、診断士の皆さんがどこに棲息しているのかと疑ってしまうほどである。
 実際、資格を目指しながら、「収入はどうでもいい」とまでは言えなかったので、本格的に受検しようと資格の学校T○Cに通い始めた数年前だと思うが、中小企業診断士山川美穂子さんの著書「中小企業診断士で1000万稼ぐ方法」というのを読んだことがある。
 この1000万という数字が実質収入だとしても、必ず経費がかかるので、実際の所得金額になるとあまり高収入とはいえないかもしれない。
 今、問題になっている国会議員の事務所経費のように何千万円も使っていたら、所得は0になってしまうし、毎月賃借料が20万円の事務所でも、年間240万円の経費で所得は760万円になってしまう・・・。
 収入金額は別にして、所得金額で500万円くらいになれば、何とかやっていけるだろうとは思うが・・・。
 そういった収入の話は別にして、税理士がクライアントと顧問契約を結ぶのは普通のことだと聞いている。個人事業者などは100%と言えないかもしれないが、法人であれば、公認会計士か税理士のどちらかと顧問契約を結んでいると思う。
というのは、決算が毎年1度あるし、源泉所得税の納付税額を計算してもらっていれば毎月関わってもらう必要がある。それに、帳簿書類の作成までお願いすれば、毎月来なくてもいいのに?と思うほど、必ず月に1度は来てもらわなければならないだろうと思う。
それに比べ、診断士と顧問契約をしてまで、顧問料を支払ってくれる個人事業者や法人事業者がいるのだろうかと思ってしまう。        
 山川診断士の著書「中小企業診断士で1000万稼ぐ方法」には、診断士の仕事が診断とコンサルティングに分かれていると書いてある。
 診断は、「問題点の指摘、課題の提示、課題を克服するための改善提案の提示(場合によっては報告会の開催)までのプロセスであって、案の実行は企業側の意思に任されています」という。
 一方のコンサルティングは、「改善提案を円滑に実行する段階までを含んでいます。実施計画の立案、経営者や従業員の意識改革、必要な投資の実行など、全てを含みます。診断に比べて、かなり幅広いプロセスを含むものです。」という。
いずれにしろ、改善事項があってこれから収益をあげようとしているといった、何らかの課題のある企業が多いに違いない。
 「これから収益を上げようとしている」企業が、赤字の状態では、なかなか診断士と顧問契約を結んで顧問料を払うのは難しいと思うのだ。
実際、税理士は収益が出ていない、顧問料が払えないようなところとは、あまり関わりたがらないという話を聞いたことがある。
山川診断士は、「顧問契約を結ぶためには、経営者と知り合うきっかけをつくる努力を!」と書いている。
「プロジェクトから顧問契約を繋げる」といったことも書いている。
 また、顧問先の業種を絞り込むことができれば、業種全体としての問題点の把握や業界標準、本来あるべき姿などに関するノウハウを蓄積できるともいっている。
unizouは、運送業やホテルなどの経営状況が厳しいところに、なぜか興味がある。以前書いた農業も同様である。
 なぜ、そういった業種に興味があるかというと、改善の余地(工夫のしがいや事業としての可能性など)がたくさんあるという感じなのだ。だから、面白くてやりがいがあるのではないかと・・・。
赤字の傾きかけたホテルなどには、税理士も及び腰になっているだろうから、診断士の本領発揮といったところかもしれない。