映画「フラガール」

 年末年始にかけて、邦画を中心に映画を数本観たが、その最後を飾ったのが、映画「フラガール」。
 最近カルチャーセンター等で注目を集めているフラダンス。この映画が、「常磐ハワイアンセンター」(現:スパリゾートハワイアンズ)の誕生実話であるとは全く知らなかった。実際にスパリゾートハワイアンズへは行った事があるが、また行きたいと思わせる、本当に楽しい温泉リゾート施設だ。
 しかし、その常磐ハワイアンセンターが、昭和40年、エネルギーの主役がかつて「黒いダイヤ」とまでいわれた“石炭”から”石油”へと変わり、炭鉱のまちに生きる人々にとって自分達のコミュニティが崩壊していく中、生きるために、家族のために命懸けで自らの“手作り”で創り上げたものだということを知る人はほとんどいないだろう。さっきも言ったとおり、もちろんUnizouも知らなかったうちの一人。
 映画『フラガール』では、常磐ハワイアンセンターのオープンまでの実話を背景に、東京からきた理由ありダンス教師(松雪泰子)と、ハワイアンセンターの広告塔として、当時誰も見たことがなかったハワイの踊りであるフラダンスを一生懸命に踊ってこのプロジェクトを大成功に導いた炭鉱の娘たち(蒼井優ら)との友情と再生の物語を中心に、炭坑のまちが閉山に追い込まれる過程で、繰り広げられることの人々の葛藤が表現されていた。
 ラストシーンは、炭坑の娘たちがハワイアンズオープン当日に出来立ての舞台でフラダンスを披露する。それまで建設に反対していた炭坑夫たちとも一体となって会場は盛り上がり、舞台で踊る炭坑の娘たちの頬には自然と涙が流れていると言う何とも感動するシーンだった。
 また、誕生実話をしって、そこが以前炭坑の町だったという歴史を知った上で、またスパリゾートハワイアンズを訪ねてみたくなった。