組織論と現実

 先週の金曜日、10年近く前に同勤したメンバーとの飲み会だった。
 年に数回集まっては飲む。その当時の課長は昨年定年退職し、ほかのメンバー8名も各地に転々としている。
 昨年定年退職した当時の課長の送別会を行ったのだが、残ったメンバーで今でも引き続き集まっているのだ。
 金曜日は、8名のうち7名が参加した。
 ジョブローテーションの多い職場に長年勤めてきて、こういった集まりをしているのは4つぐらい(年数で4年くらい)である。
 いつも人の好き嫌いで仕事をしてきたわけではないので、こうして続けている集まりに共通していることがあるのかもしれない。
 本当に相性が良かったのかもしれないが、ただ一つこれはと思えることは、仕事をやる上で思うところを言い合っていたり、相手を思いやっていたりしていたということだ。
 そして、やらなければいけないことを避けたり、言わなければいけないことを避けたりしたことはなかったことである。言ったほうも、言われたほうも、そのことが原因で相手を避けるようなことはなかった。このことは、多少の温度差はあるかもしれないが、自分だけが思っているわけではないと思う。
 では、ほかの年はどうだったのか?というと、自分のスタンスが決して変わっていたわけではないので、なぜかそうできなかった原因、例えば仕事に対する価値観やチーワークに対する認識の差などがメンバーとの間にあったのだろうと思う。
 メンバーそれぞれとは多少相性の悪かった人もいたが、全てのメンバーと相性が悪かったわけではないので、きっと今回のような集まりをするまでにはいかなかったのだろう。
 診断士の受検科目の企業経営理論には、組織論がある。
 組織論を勉強したとき、組織が組織としてやっていくことの難しさや組織のメンバーがモチベーションを持ち続ける難しさが、現代のような時代だからでなく、ずっと昔からあって、学問として研究されてきたということに感心したものだった。
 「なーんだ、昔から難しい問題だったのか」と・・・。
 今のメンバーのことをいうと、中堅クラスの社員のモチベーションや組織としてのあり方に、未だに納得いかずにモヤモヤしている自分がいて、自分のやり方を反省したり、対処療法をしたりとばたばたしている。
 一方で、「今回の集まりように、学問として組織論を知らないメンバーが寄り集まっても、簡単に組織論に沿った?組織として成り立ち、メンバーのモチベーションの高い組織もできるのに」と思うこともある。
 しかし、考えてみれば、何年も勤めていてもたかが4年くらいしか、本当に納得いくような組織やメンバーと巡り合わなかったのだ。それだけ、いろいろな人と一緒にやっていくということが難しいということ・・・。
 といって、今の会社が楽しくないかというとそんなことは決してない。
 自分が何かをし続けなければ、それこそ、会社に行くことが嫌になってしまうだろうと、毎朝、今日起こることにきっと振り回されるだろうと思いながらも、「今日何をやって、みんなと何を話そうか?」と、毎日変わらずに繰り返し考えている自分がいるから不思議に思う。