図書館マナー2

 昨年末、図書館の本が、線引き・切り抜き等の被害に遭っているとの新聞記事を元に、unizouの図書館バイトの経験をブログに書いた。
 ふとバイト時代を思い出したら、次々と当時のエピソードが思い出されてきた。
 その中の1つにマナー違反どころでない話しがあった。
 それは図書館を1年以上悩ませていた事件で、書籍が書架からなくなっていくという奇妙なもの。毎年スーパーや工場が商品の棚卸しをするように、図書館も年に1度棚卸しを行い、書籍の在庫状況を検査する。その年は、リストでは書架にあることになっている本が大量なくなっていた。
 棚卸しの前から、利用者さんから、検索画面で書籍を探すと書架にあることになっているのにないという苦情がカウンターによく寄せられていたのだ。
 原因として考えられるのは、書籍を貸出し手続することなく持ち出している利用者さんがいること。
 そこから、大プロジェクトが始まった。職員が毎日図書館内を巡回し、貸出し処理をせずに図書館を出入りしている人はいないかとチェックを強化したのだ。
 すると、捜査線上に上がった怪しい利用者が見つかった。
 アルバイトのunizouには、そこからどのような捜査がなされたか知るよしもなかったが、追跡などしたのだろう。ある日、警察の立会いの元、職員がその利用者のアパートに行ったところ、四方壁面の本棚いっぱいに図書館の本が積まれていたと言う。
 盗み癖がある者なのか、それとも古本屋等に転売していたのか。
 単なるマナー違反で済まなかったこの事件。
 不特定多数の人が利用する公共施設の難しさを知ったアルバイト経験だった。