診断士試験と中国

 友人のK氏が、家族で年末年始に中国を旅行し、昨日の夕方帰国した。
 K氏は早速お土産を持ってきてくれて、中国の様子を話してくれた。
 中国を始めとした東南アジア諸国の経済は、2006年版の中小企業白書でも取り上げられ、昨年の診断士試験にも出題されていて、診断士になってもきっと関わりのあることでもあるので興味を持って話を聞かせてもらった。
 K氏は、蘇州と上海を見て回ったという。
 上海はそれほど感じなかったが、蘇州は、貧しい昔の生活をしている居住区と裕福なマンションや1戸建ての立ち並ぶ居住区とがあって、その差が激しいと言っていた。
 ホームレスというより、日本では使ってはいけない言葉である多くの「乞食」たちが観光地の入り口で物乞いをしていたという。
 偽ブランドの商品を1,000円程度で売っている人たちも、観光地にはたくさんいたという。
 結局、共産主義も「貧者を生み、その人たちを救えないのだ。」と実感したという。
 そして、「貧富の差は、日本の格差社会の比ではない。」という感じがしたという。
 また、一方で、多くの古い居住区域が取り壊され、新しいマンションが建てられていたという。郊外でも同様に、多くの建物が取り壊されたあとに、瓦礫が山高く積んであったという。
 「これから、北京オリンピックに向け、いろいろな開発が進められていくのだろう。」とも言っていた。
 2006年版の中小企業白書には、次のように書いてある。

 世界経済は、1990年代以降今日にいたるまで、長期にわたり持続的な成長を維持してきた。この間、世界経済を牽引した主体について見てみると、「インフレなき景気拡大」を持続させ、世界経済の約3割を占める米国経済の役割が大きいが、これに加え、世界経済に占めるシェアこそ低いものの急速に成長を遂げる東アジア経済、特に中国経済の好調さが挙げられる。東アジア経済は、この10年余、アジア通貨危機により短期的に大きな影響を受けることはあったものの、比較的迅速な立ち直りを見せ、高い成長を持続してきた。このような高成長により、東アジア経済は、今回の長期に及ぶ世界経済の持続的成長におけるエンジンの1つとして世界経済を牽引してきたと言える。
 中でも中国経済の発展はめざましい。中国経済は、1978年の改革開放以来20年以上にわたって年平均9%以上の実質GDP成長率を達成しており、2000年以降は中国のWTO加盟を契機に海外からの投資が急増していった。また、国際貿易面においても、2003年には輸出で世界第4位、輸入で第3位の規模となるなど、世界経済における存在感を大きく増しつつある。急成長を続ける中国経済は、国内における格差や消費の未成熟による投資への過度の依存といった危うさを抱えながらも、今後ともオリンピックや万博といった大規模な国際イベントの開催に向けて成長が続くものと見込まれている。

 unizouは、長野オリンピックのあとの長野の様子を体験してきた。
 オリンピックのあとに過剰になったホテル(長野新幹線で日帰りできるようになったことも大きい要因)が数多く倒産したり、建設関係の企業が苦しい経営に陥ったり、オリンピック以前の様々な需要に沸いた様々な業種が、その後の落ち込みに耐えきれなくなったりというような事実である。
 確かにいろんなイベントが、経済の原動力になるのも事実である。
 しかし、経済の成長と実際の姿にギャップがあると、その反動が大きいように思う。
 中国は、日本だけでなく世界経済をさ支えている。だから、中国がこけたら、大変なことになる。
 友人のK氏の話を聞いて、これからも、興味を持って中国の動向を見ていこうと思う。
 K氏は「改革開放路線で、庶民は共産主義と相容れない『自由』を手にしていて、もう、その流れは止められないだろう。」とも言っていた。
 中国と真の友人になるために、できれば中国が自由な国になって、その上で経済でも協力し合えるようになればと祈っている。