「命」

 毎年恒例となった財団法人日本漢字能力検定協会(本部:京都市)が公募で選ぶ「今年の漢字」がこの12日、京都市清水寺で発表された (http://www.kanken.or.jp/event/index.html)。
 今年、最も多かったのは「命」。
 森清範貫主が黒々と揮毫し、大みそかまで一般公開されるという。
 今年は12回目で、応募総数9万2509通のうち、「命」は8363通(約9%)だったそうだ。
 漢検のHPには、選定理由が4つ掲げられていた。
 1生まれた命…秋篠宮紀子さまがご出産。皇室に約40年ぶりの親王悠仁さま」ご誕生。ちなみに「悠仁さま」の「悠」も2位にランクイン。
 2絶たれた命…いじめによる子供の自殺が社会問題化。履修漏れの責任をとって校長も自殺。いじめについては11/25にunizouもブログで取り上げた。これに関連して「生」も3位にランクイン。
 3奪われた命…飲酒運転による交通事故、虐待による殺人が多発。竜巻で命を奪われた人も。この夏、福岡市職員が飲酒運転で引き起こした事故で、被害に遭った車が橋から転落し幼い子供2人の命が奪われた事故はまだ記憶に新しい。
 4膨らむ命の不安…北朝鮮の核実験、高齢者の医療費増大、臓器移植問題、医師不足…。4位に「核」、6位に「殺」、19位に「虐」という文字がランクインしていることからも、社会不安を挙げている人の多さが覗える。
 その中で、13位に入った「北」は今年の北海道勢の活躍、駒大苫小牧、日ハムファイターズを称える1文字と明るい話題のように思う。
 安倍総理が、就任前後から、数多く口にした「美しい国」の「美」又は「国」は20位以内にはランクインされなかったようだ。
 森貫主は、今年の1文字が「命」だったことについて、「現代の深い苦しみが潜んでいると思う」とコメントしていた。
 1文字多く明るく幸せな言葉がランクインするよう願わずにはいられない。