ひよこの出身地

 菓子メーカー「ひよ子」(福岡市)の鳥形まんじゅう「名菓ひよ子」の立体商標登録を巡り、同種の菓子を販売する同市の製菓会社「二鶴堂(にかくどう)」が登録無効を訴えた訴訟で、知的財産高等裁判所は29日、二鶴堂側勝訴の判決を言い渡した。中野哲弘裁判長は「鳥形菓子は全国各地で製造されており、形状自体はありふれたもの」と認定し、立体商標登録を有効とした特許庁の審決を取り消した(http://news.www.infoseek.co.jp/society/story/29kyodo2006112901000409)。
 判決は「ひよ子」を「形状だけで他の商品と識別できるほど全国的に著名ではない。消費者は形状ではなく、商品名が記載された包装紙などで商品を識別している」と指摘し、形状のみを立体商標として登録することは認められないと判断した。
 立体商標は、立体的形状に認められる商標をいい、ありふれた形状でも長年の使用で消費者や取引先が他商品と識別できる場合には認められる。1996年の商標法改正で導入され、登録件数は、ケンタッキー・フライド・チキンの「カーネルサンダース」や不二家の「ペコちゃん」など昨年12月時点で約1300件あるそうだ。
 このニュースを聞いて驚いたことが2つ。
 一つは、「ひよ子」以外にも全国で23もの業者が鳥の形状の菓子を製造販売し、そのいずれも遠目にはなかなか見分けが付きにくいほど似ていたこと。ずらっと並んだひよこ型の写真を見たが圧巻。しかも、国内では江戸時代から既に鳥形の和菓子が販売されていたそうだ。
 そして、もう一つは、「ひよこ」はてっきり東京みやげかと思っていたら、福岡のお菓子だったということ。「ひよこ」は祖父の大好物でよくおみやげに使っていたunizouにとっては、にわかに信じがたかった。せっかくの機会だから調べてみた(http://www.hiyoko.co.jp/index.html)。
 するとやはりルーツは福岡にあった。ひよ子の商品を日本中の人に味わっていただきたいという願いのもと、昭和39年に、東京に進出し、「ひよ子東京工場」を建設、「東京ひよ子」が誕生したというのだ。
 今回の立体商標を巡るニュースよりも、「へぇ〜」とトリビアの泉だった「東京ひよこ」であった。