unizouの事例4

 事例4の問題の経営分析は、意外と当たる・・・?
 意外と当たるというのも、なんか変な言い方かもしれない。
 というのは、unizouが融資担当をしていたその昔、もう数え切れないくらいの中小企業の決算書を見て、自然とそういった勘が養われていて、決算書の問題か所がわかってしまうという感じなのだ。
 しかし、昨日の事例1と同じように、現実の決算書は、生易しい内容ではない。
 粉飾決算を見破ることが、第一なのである。
 結果として、どうしてこんな企業が経営を続けていられるのかといった内容の決算書が結構多いのだ。
 安定性を見る流動比率当座比率が200%なんて夢のまた夢のようで、100%を切っている企業。
 売上高に比べて、販売管理費、特に人件費が異常に高い数値の企業。
 固定比率を見てみても、固定資産が資本金の範囲内(100%未満)という企業は少なく、長期借入金だよりの企業が多い。
 こういった企業は、必ず租税(特に源泉所得税や消費税の滞納)の滞納をしているか、社長がサラ金から個人的に借りて会社に貸付している。
 この二つとも最悪の選択で、なかなか催促をしてこないことをいいことに租税の滞納(特に源泉所得税や消費税の滞納)をしたり、借り易いことを理由にサラ金から借りたりした日には、倒産へ向かってまっしぐらとなる。
 なぜなら、意外と知られていないが、租税の滞納は高率な遅延利息(延滞税)を払うことになっているし、サラ金は当然のことながら、それ以上に高率の利息を払うことになるのだから・・・。
 経営状態が悪くなったら、まず、経営の改善とできる限り低利で長く借りられるところを探すことが第一である。租税を滞納したり、サラ金から借りたりするより先にそういった先を探すことが、第一である。
 特に、セイフティネット貸付の対象に該当するかどうかは真っ先に検討すべきである。
 そうしなければ、企業は泥舟のように沈んでいくのを待つばかりとなる。
 事業を撤退することは、非常に難しいことだと思うが、撤退も重要な選択肢の一つである。
 人間誰しも、どんなときでも「未練がましい」のは仕方がないことかもしれないが、今の状況を引きずることがいいことかと言えば、それは絶対に良くないといえることも多い。思い切って、いったんやめて、再起を図ると言うのが最良の選択といったケースもある。
 そんなときに、診断士としてそのことをいう必要があるかもしれない。
 粉飾決算の代表的な手口は、売上高、棚卸資産の操作である。
 売上高だと、未完、未納品の売上を繰り上げて計上するという手口だ。仕掛品を繰り上げて、今期に計上する。見破るポイントとしては、決算月と翌月の月別売上高を比較してみること。通常の売上高の変化に比べて明らかに今期の数字がおかしければ、粉飾の疑いがある。
 棚卸高は、機首と期末で評価法を変更するなどの手口がある。
 購入時の価格で計上する原価法と、原価と時価を比較し、価格の低いほうで計上する低価法があり、低価法を採用している企業が、評価法を変えたら要注意である。
 期末の棚卸高が大きいほど、その都市の売上原価は減り、売上総利益がかさ上げされてしまう。見破るポイントとしては、棚卸資産回転率をチェックし、極端に数字が小さくなっていたら、粉飾決算を疑う必要がある。
 いずれにしろ、事例4のような企業ではなく、もう、泥舟になってしまいそうな企業を救っていきたいと思っている。
 でも、そういった企業からコンサルタント料をいただくのが難しいだろうか・・・?