物言わぬアドバイザー

 平成14年の事例問題Ⅱを解いた。
 高級輸入食材卸売を営むB社が新規事業として、小売業に進出しようかとしている事例。
 その第三問の設問2で問われていたのが、B社の新しい小売店がターゲットする顧客層に向けて必要とされるサービスについて。
 「店員による食材の調理法・調理器具の使用方法に関する十分な説明を行う」、このことはunizouも書けた。
 しかし、その解答・解説には予想もしなかったサービスがあった。
 それは、同じに多くの来店客を1度に接客できないことから、物言わぬアドバイザーとしての「レシピの無料配付」だ。
 この「物言わぬアドバイザー」が予想もしなかった視点だった。
 しかし、商品を選ぶ際、この物言わぬアドバイザーに随分助けられていることに気付く。
 先日家電量販店「コジマ電機」でデジカメを見ていた。するとCanon1社だけでも数種類、SONYコニカともなると全部で何種類あるのだろうか、次から次へ目移りしてしまう。
 よく見ると、値札の脇に、各機能が比較できるような表が全商品についている。充電時間や動画連続撮影時間、連写速度、ズーム倍率、手ぶれ機能など、かなりの項目があり、店員さんがいなくとも、短時間に各商品の特徴がわかる。
 ある程度の基礎比較ができたあとに店員さんに詳細を尋ねるのは大変効率的だ。
 この「物言わぬアドバイザー」、なかなかの働き者だ。
 よくよく考えてみると、何も家電ショップに限らず、スーパーや雑貨店等でも、値札の脇に、商品を紹介する一言メモが添えられていることがよくある。
 この何気ないメモも、限られた経営資源の中で提供される顧客へのサービスだったのかと思うと、ちょっと感動する。
 そして、こういう些細な気付きを答案に反映することの難しさ、2次試験の壁を改めて感じるのだった。