診断士のフィールドと税理士

 昨日は直前演習の最後。ほかで模試でもあったのか、受講生は20名にも満たない。
 講師は、「直前演習の結果は思うようにいってないかもしれませんが、問題をたくさんやればいいというわけでなく、質を大事にしてください。1次試験の発表からたった1週間。2次試験までまだ1か月もあると考えてがんばってください。」と熱く励ましてくれた。
 unizouもがんばろう!!この三連休は、“事例漬け”で、楽しみは大河ドラマ功名が辻」と「宮廷女官チャングムの誓い」だけにしようと誓う。
 昨日帰り際に「資格の学校の○○○NEWS10月号」を取って、帰りの電車の中で読んだ。
 「税理士しかできない 会計知識を活用した財務戦略の入門」という新連載を、須貝明弘税理士が寄稿していた。
 その中で、須貝税理士は、「会計事務所に勤めていた14年前、会計事務所が経理のスピードコンテストになっていて、『ダメだこりゃ』と思った。経理のスピードコンテストでは、事務所の当面の収益はあがるが、顧客に必要な大事な業務が抜けている。顧客は、財務の相談に広く応じてもらいたいと考えている。今までは、資格という参入障壁があったために、顧客の要望に応じなくても、許されてきた。ところが、ブロードバンド化が、経理の集中処理を進め、経理処理は非常に利幅の薄い商売になり、税理士や会計士であっても、会計や経理、つまり単純に監査や税務申告といった業務では生き抜くことができない。」と書いておられた。
 昨日の直前演習は、「財務(ファイナンス)を中心とした経営戦略に関する」事例。
 事例に出てくるのは、「経営分析とアカウンティング」、「キャッシュフロー計算書とキャッシュフロー分析」、「ファイナンス理論」、そして「ITに関する事項」となっている。
 「須貝先生が、『これからの税理士に求めていること』と一緒ではないか!」と、unziouは思う。
 つまり、「中小企業診断士は、税理士がこれからやろうとしていることを、既にやっているのではないか。」と・・・?
 以前(長野支店で融資を担当ていた当時)のことになるが、バブルの負債とデフレでどの中小企業も四苦八苦していたときがあった。
 取引先の大方の社長が言うには、「税理士は、毎月経理に関する書類を取りに来て、毎月の試算表も作ってくれて決算してくれるが、作ってくれるだけで何も言ってくれない。資金繰りと経理は別物で、自分がやるしかない。それでも、毎月の報酬と決算の際の報酬で年間70万円も渡すことになる。」と嘆いていた。
 「クライアントなんだから、しっかりいろいろと聞いたらどうですか?」と言っても、日本人の特性か、資格にはめっぽう弱くて金を出しているほうが、ぺこぺこ頭を下げているようだった。
 税理士の中には、税務署OBという税理士もいて、資格試験を免除されて税理士になるそうだが、顧問でお世話になっている税理士以外に、そういう税理士を雇うケースもあると言う。(そういうのを、二階建てとか三階建てと言うみたいだが。) 悪いことに、そういう税理士は、税法もろくに知らないケースが多いそうだ。
 「そんな税理士に、たくさんのお金を払っている?とうのはなんてバカらしい?」と思える。
 それから、以前のブログで「住基カード」について書いたが、税務署では「e-tax」というのが「電子政府」の重要な位置づけになるそうで、その普及に躍起になっているというのを、最近取引先から聞いた。その取引先の社長が言うには、「e-taxにして、税理士が税務署に行かなくて済むなら、税理士の報酬が安くなるのかしら」とも言っていた。
 中小企業診断士は、税法そのものを詳しく勉強することはないだろうが、そのフィールドとしては、顧客のニーズに合っているようだ。
 確かに、長野支店に勤めていたときは、セイフティネットが始まった当初で、いち早くその知識を得ていた企業は苦境を乗り切っていたが、知らずにいた企業は倒産という残念な結果になっていたように思う。きっと、多くの税理士がそういった知識を持っていなかったのだろう。
 ただ、診断士の弱みは、「税理士のように取引先が固定しているのか?」ということ。
 「苦しいときの神頼みならぬ、診断士頼み。」で、出番が少ないとなったら、基盤が安定しない?
 まだ、診断士なった訳でもないのに、・・・いろいろ考えすぎた。
 さぁ、しっかり勉強しよう!!!