管理者の仕事

 職場で、気になっている人物がいる。
 一人は、傍目からは何も問題ない、管理職になってもおかしくない年齢の職人気質の社員Tさんである。
 仕事上は何の問題もないが、自分のテリトリー以外は関心がないようで他の社員の仕事で自分に害が及ぶようなら至って不機嫌そうな顔をする。その顔を見るたびに、unizouは、職場の雰囲気を悪くしている一番の原因になっていると感じている。
 そして、もう一人、若手から中堅の域に入ろうとしているK1君である。
 彼は、仕事は一生懸命こなしているが、人間関係にムラがあり、協調とか調和には縁がないように、話を聞くと「あいつとは話したくありません。」、「あいつが企画した飲み会には出ません。」と言う。
 多少仕事ができなくても、お互いがきっちりと補完しあい、取引先に迷惑をかけることがなければ、そこに至る前のケアレスミスは、どんな優秀な人間でさえも有りうるし、スキルのレベルが最初は違っても同じ仕事を何年も続けていれば、特に勉強していなくても日常業務的なことは簡単に身につくはずである。
 だから、多少個人の能力に差があっても、「それぞれの感性を活かして職場が一丸となってやるほうが、シナジーを発揮できてもっといい結果が生まれる」と強く感じているunizouにとっては、TさんとK1君は「問題社員」である。
 そして一方職場に迷惑をかけている?K2君がいる。
 彼は、入って3年目の若手社員だが、昨年1年間うつ状態で体調を壊していた。
 今でも、1日のうちに30分程度自分の席を離れることのあるK2君は、確かに周りの社員にとっては迷惑かもしれない。
 しかし、そういった状態をのぞけば、素直に職務を遂行し、周りのものと協調している。
 unizouにとっては、職場全体を悪くしているといったことはない。いなくなった時だけ、回りの人間の来客者や電話に対する仕事量が増えるが、もともといないと思えば、さほどでもないのである。
 管理者にとっては、一日も早くK2君を正常な状態で勤務できるようサポートする必要はあるが、それ以外に彼に特別にすることはない。
 職場を活性化するためには、TさんやK1君を協調的に、そして自分のテリトリー以外の仕事にも関心を持って、グループや課全体の目標に関われる仕事をしていくように仕向けていかなければと思っている。
 それにしても不思議なもので、Tさんは自身の職務に関する希望調べでは、「管理職になりたい」と書いている。
 今の姿勢とその希望調べの内容の落差に、「管理職」が何をする仕事なのかを問わずに、その名前だけで希望する人がいるのだと、「そういう人が管理職になれば、何をするのだろう?」と考えがっかりするが、unizouは管理者としては、Tさんをどう変えたらいいのかと頭を悩ましながら仕事をしている。