岐阜県総額約17億円の裏金問題で考察する組織と個人

 これだけ話題になっているので、知らない人はいないと思うこの事件。
 事件ではあるが、逮捕される人は誰もいないという不思議な結果になるかもしれない。
 弁護士でつくる検討委員会による調査で、岐阜県では総額約17億円もの裏金が作られていたと報じられていた。その裏金のうち約1億4800万円は、職員59人が個人的に保管していたという実態も明らかになったという。
 当初の報道では、裏金は職員組合にもプールされていたと報じられていた。
 unizouの一番の関心事は、岐阜県が裏金を作っていたことよりも、職員組合がその一端を担っていたことの方にある。
 一体職員組合とは何なのか?ほかのブログを検索したら、「岐阜県職員組合は『自治労』の組合です。」というのがあった。
 労働組合も悪いことをするのか・・・?
 使用者は昔の悪代官みたいで、労働者から搾取しているようなイメージがあって、反対に労働者は弱者で悪いことをしないという先入観がある。
 だから、労働組合が悪いことをするなんてことは、考えられない・・・。
 しかし、今回のことを見ると、組織になれば、正義や人権や自由を謳っているどんな組織も、悪いことをしないということではないということがわかる。
 もうずいぶん前になるが、unizouも管理職になって組合を脱退し、組合費を払わなくなっている。
 いつも思うが、毎月6,000円近くも払っている人を見ると、人ごとながら良く我慢しているなと常々思うことがある。
 そんなに、お金が必要なのかという感じなのである。
 「活動」と言っても、特に何かしているようには見えないし、組合員の厚生に役立つようなことをしてもらっているわけでもない。組合費を一体何に使っているか不思議でならないと思うことが多い。みんなから集められたあれだけのお金がどこに行っているのか?
 結局、お金を払っているだけで無関心な組合員が多いせいで、役員は組織の金を勝手に使い始めて(個人的にと言う意味でなくても)、そして罪悪感もないようになってしまうことが多いのではないか。
 「所得税を安くしろ!」「年金や、保険料を安くしろ!」というのは聞こえても、「組合費を安くしろ!」というのはあまり聞いたことがない。話題にしたことはあるが、声にまでなっているのは聞いたことはない。
 そして、こういうことは、組合に限らず、組織であれば、起こりうることなのだ。
 会社、自民党共産党自治会、会社の中の旅行積立・・・。正しいことを教える教育現場にだって・・・。テレビ局や新聞社も然りである。
 誰も言わないだけで、それぞれの組織で、額の多少はあっても、関係者が無関心なら、お金を操れる人の感覚が麻痺してくることもあるのだ。
 個人では崇高な理想を掲げていても、組織になるとポストやお金に惑わされてしまう人が如何に多いか。
 だから、組織はガラス張りにするのが一番良いのだ。意思決定もお金の使い道も、すべてを。
 unizouは、正義や人権や自由を謳っているどんな組織でさえも、頭から信用することは絶対しないようにしている。
 決算書は確かにあっても、その領収書一つ一つまできちんと確認しなければ、岐阜県の裏金問題の総額約17億円に及ばなくても、そういったことは起こっているかもしれないしし、起こりうると常々思っている。
 残念なことであるが、そう思って制度を整備しなければ、岐阜県のような事件?は起こってしまうのである・・・。