中高年登用

 会社の近くに、大型バス旅行の発着所があり、会社帰りに、旅行を終えて解散したグループによく出くわす。花摘みや果物狩りなどの企画なのだろうか、季節ごと、ぶどうやポーピーの花などで袋をいっぱいにして楽しそうにしている。大半は、既に会社をリタイヤしただろうご夫婦やおばちゃま仲間のようだ。仕事を終え、くたびれたサラリーマンとは対照的に、「お世話になりました!」と元気な声を掛け合っている。
 厚生労働省は、「改正高年齢者雇用安定法」の18年4月施行に伴い、企業が高齢者に対してどんな雇用対策を取ったかについての調査結果によれば、従業員300人以上の企業全1万2181社のうち、調査した5月19日までに何らかの措置を導入したのは95.6%に上るという(http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060609AT3S0900R09062006.html)。
 そんな中、ローソンと鳥取県が、この3月に県産品販売や高齢者雇用などに関する包括業務提携に調印し、新浪剛社長は、社員が県に常駐し高齢化社会に対応したコンビニエンスストアのモデル作りを進める考えを表明し、高齢者が利用しやすい店舗のあり方や商品の地元調達の拡大を研究し、ビジネスモデルとして確立できれば全国展開を目指すと会見した(http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20060501c6b0102o01.html)。
 この中高年のアルバイト獲得は、地方都市を中心としながらも、全国に広まりつあり、関東にもその波はやってきたようだ。8/7の読売新聞の「Y&Yしごと」の特集だ。
http://job.yomiuri.co.jp/news/special/ne_sp_06080701.cfm?ref=yy)。 地方都市における若者のアルバイト確保が困難になっているため、その人手不足を解消することが一番の目的であるが、注目すべきは、同世代の顧客を増やす効果に一役買っていることだ。
 ローソンは、高齢者からの「(レジで)早く財布からお金をださなくては焦ってしまう。」という声を受けて、同じ高齢者の店員ならば買い物もしやすくなるのではないかと発想し、「コンビニが登場して約30年たつが、中心客層は、ずっと30歳代の男性で、この間に高齢になったお客さんは離れて行ってしまった。同世代の店員がいれば、戻ってきてくれるのではないか。」と期待しているそうだ。
 バスを降りるあの元気な姿を見れば、人材登用しない手はない。今度改めて、unizouの自宅・会社近くのローソンの店員さんをよくチェックしてみよう。