小泉首相へのお願い

 派閥の領袖以外の人が総理になるという画期的な出来事で小泉首相が総理大臣になってから、5年4か月近くがたった。
 今マスコミを賑わしている総裁選が9月の中旬に行われれば、9月末には小泉首相の任期が終わる。
 小泉首相は、以前の総理大臣に比べれば、本当に良くやったと思う。
 格差社会や外交、行財政改革が中途半端など、批判もあるが、実際はどうだろうか。
 小泉首相が改革したものは、以前の自民党なら、手をつけなかった、あるいは手をつけても、お茶を濁す程度の話で終わっていたのではないだろうか。
 今年、亡くなった橋本総理も立派な人だった。氏も熱心に行財政改革に取り組んではいたが、派閥のお蔭で総裁になり、その足かせのせいで本人の納得行く行財政改革となったかは疑わしいものがある
 今までの政権は、橋本元総理をはじめ数多くの総理大臣が、本当に心に思い描いていた日本のあるべき姿を断念し、穏便に済ませていたから、批判も対立もなかったというのが事実だろう。
 そういった今までの悪習を断ち切って任期を終え、綺麗に身を引く小泉首相には、折り入ってお願いがある。
 というのは、今までの総理大臣経験者が誰もやっていないことを、是非やってもらいたい。
 それは、総理大臣経験者は、アメリカ大統領が大統領をやめると政治家を辞めるのと同じように、「総理大臣を辞めるときに、政治から身を引いていただきたい。」ということである。
 unizouは、中曽根さんや、宮澤さん、そして森さんなど、総理大臣経験者が、自分の時にはできもしなかったことを、現職総理大臣に対して批判している姿を見るにつけ、いつも苦々しく思っていた。小泉首相には、そういった見苦しさを捨て、自民党を離れて大所高所から活動していただけないかと思うのである。
 そして、それは、小泉首相しかできないことだと思っている。是非とも、アメリカの元大統領たちがやっているように、国内だけでなく、国外でも幅広く活躍してもらいたい。
 余裕ができたら、是非、回顧録も出していただきたいとも思う。
 最後に、批判されている小泉首相の問題点を擁護するとしたら、unizouは次のように考える。

 格差社会については、地域格差と個人格差の二つがあると思う。
 しかし、これも、小泉首相のせいではないと思う。
 地域格差については、NANAの元気が出る日記 http://blogs.yahoo.co.jp/nana_consultingで改正中心市街地活性化法コンパクトシティのことが出ていたが、もともと、人口が減少している地域について活性化を図るというのは難しいことだと思っている。活性化できなければ所得が低くなるのは当然である。今、都会の税金を地方に迂回融資しているような情勢にあって、地方の一都市の対策を考えるのが妥当なことなのかは疑問がある。「効率的で省エネ」などという大義名分をいうならば、都市部と地方という枠組みで考えるのがいいのか。それとも、もっと、道州制のような枠組みの中で、地域の役割分担を考えるほうがいいのかを議論すべきなのではないだろうか。
 都市部なら駅の近くに住んでいる人に対して公共の利益のために私権の制限、そして乱開発の中止、地方なら山の奥のほうにすんでいる人に対する公共投資のあり方などについても考えるべきことだと思う。
 個人の格差については、今までの時代が生んだものの気がする。その原因はさまざまで、もっと以前から原因はあったと思う。

  • 外交

 中国や韓国に対する外交については、是々非々で対応してもらいたい。経済を優先にすべきではないと思う。特に、個人が自由に発言できない国に対しては、国としてのお付き合いは、相手をしっかり見て淡々とやっていくことが大事だと思う。
 ということで、大した擁護にもなりませんが、小泉首相、本当にお疲れ様でした。