ワタミの介護

 居酒屋「和民」で有名なワタミ株式会社が介護ビジネスに参入している(http://www.watami.co.jp/)。
 2004年4月にワタミメディカルサービス株式会社を設立し、介護の世界に飛び込んで以降、2005年3月末に16ホームを持つ株式会社アールの介護の経営権を取得し、さらに2006年4月には、株式会社アールの介護とワタミメディカルサービス株式会社を合併して介護事業を1本化、ワタミの介護株式会社に社名変更し、本格展開しているのだ(http://www.restvilla.co.jp/)。
 ワタミの武器は何といっても外食産業で培ってきたノウハウを存分に発揮できる「食事」。
有機野菜を使用し、遺伝子組換え食品は使用しない、保存料などの添加物は削減するなど安全・安心にこだわった介護食を提供しているそうだ。
 その様子は、実際ワタミの介護ビジネスを特集したテレビ番組で報じられていた。アナウンサーが「楽しみは?」と入居者に尋ねるシーンがあったが、皆さんが口をそろえて「食事」と答えていた。
 そして自慢の「(介護施設向け)ワタミ手づくり厨房」が紹介された。そこで社長の渡邉美樹氏が問題を発見。朝食で込み合うホームの食堂、ずいぶん朝食のトレイを待っているお年寄りの多いことに気付く。すぐさま厨房に駆け寄り、社員に「何がボトルネックになってるの?」と原因究明に取り組む。
 原因は、パンを焼くとトースターが1台しかなく、焼きたてパンを提供するというサービスを追及するあまり、他のおかずは用意できていても、パンの提供ができず、遅れの原因となっていたのだ。
 原因が分かれば対応は早い。すぐにトースターを1台設置した。
 この番組を見ていて印象に残ったのは、厨房の問題解決をする際に、すぐさま当然に「ボトルネック」という言葉を使っていたこと。厨房での作業の流れを工程として捉え、どこで歩留まりが生じているかを何よりも先にチェックしていたこと。
 二次試験の事例問題を解く上でとてもヒントになった。こういう視点で問題文を読んで、事例会社のボトルネックを確実に探して行きたい。