産業活力再生特別措置法は大企業のもの?

 つい先日もJALの公募増資に対し株主が差し止め求め仮処分を申請したものの却下になった話を書いたばかりだが、どうやらこの公募増資を含む一連の事業計画は、「中小企業政策」でやった産業活力再生特別措置法*1に基づくものらしい。
 というのも、国土交通省が8/4、JALが産業活力再生特別措置法産業再生法)に基づき提出した事業再構築計画を認定したと発表したからだ。
 認定によって、JALが7月に実施した約1386億円の公募増資にかかわる登録免許税のうち、約6割にあたる3億3400万円が軽減される。
JALはこの事業再構築計画で、新機材の導入や国際線の高収益路線への集中などを盛り込んでいるそうだ。
 なんだか面食らった。だって、産業活力再生特別措置法に基づく再生支援はてっきり、中小企業だけのものだと思っていたからだ。
 調べなおしてみたら、この法律は、「事業再構築の円滑化」、「創業及び中小企業者による新事業開拓の支援」及び「研究活動の活性化等」の3本柱で構成されていることが分かった(http://www.meti.go.jp/policy/business_infra/saisei-hou.html)。受験対策的に、「創業及び中小企業者による新事業開拓の支援」に特に力点を置いて学習していたにすぎないのだ。
 CLOを学習したときも、従業員規模が大きいほど、企業年齢が高いほど、そして都市に所在する企業ほど新しい金融手法であるCLOを知っている企業の割合が高かった。
 産業活力再生特別措置法は、その制度を知っているのも、利用しているのも大企業の方が多いように思う。実際検索エンジンで、「産業活力再生特別措置法」と入れると大手企業が活用していると思われる記事見出しにヒットする。
 そう、ここに活躍の場が、今日また一つ中小企業診断士の存在意義を見つけた。



*1:産業再生法【さんぎょうさいせいほう】 正称,産業活力再生特別措置法。1999年(平成11)制定、2003年3月までの時限立法であったが,03年4月改正・延長された。分社化や債務の株式化など事業再編支援,ベンチャー支援のほか,税制上の支援策などを内容とする。また,国有特許の民間移転を認める日本版バイ-ドール条項を導入した。制度の適用を受けるには,企業はリストラ計画を主務大臣に提出し,その認定を受けることを義務づけている。租税特別措置法,商法も併せて改正された。03年改正では複数企業による共同事業再編への措置、課税特例などが盛り込まれた。