TMO「株式会社オアシス今市」

 縁あって、最近栃木県宇都宮市へ出かけることが多い。
 東京から、新幹線で約50分。
 後ろには、徳川家康で有名な日光東照宮鬼怒川温泉塩原温泉など数多くの観光名所を抱えている。
 宇都宮市は栃木県の県都であるが、やはり、地方都市の趨勢か、新幹線で都内へ出やすくなったせいか、市街地でもシャッター通りとは言わないまでも、シャッターを閉めている店が多い、
 先日も日経新聞の地方版に、日光東照宮への街道として有名な日光杉並木*1のある宇都宮市の隣の日光市(旧今市市)の記事を見かけた。
 「空洞化進む今市地区中心市街地」と題した記者リポート。
 市や商工会議所などの地道な取組にもかかわらず、中心市街地の空き店舗数は増加し続け、6月には85店舗と中心市街地店舗数の3割を初めて突破したという。
 そして、関係者は再生への可能性を模索する一方で、新まちづくり三法に期待しているという。
 旧今市市では、2000年7月に栃木県内で初めて設立されたTMO「オアシス今市」が、2004年度から2年間で1500万円を出店補助金として分配する「市中心市街地空き店舗出店支援特別対策事業」を実施した。その結果8店が出店したが、75店舗だった空き店舗は85店舗に増加しているという。
 そして、商工会議所では、次の4つをその理由としてあげている。

  1. 中心市街地居住人口の減少
  2. 都市機能の低下
  3. 宇都宮市などへの交通アクセス向上
  4. 郊外の大型店舗の増加

 各商店街などが組織する中心市街地活性化推進協議会の会長は、「とにかく商店街で売れるものがない。価格、品数で大型店舗に太刀打ちできない。景気のいいときに、店の個性化や駐車場整備に取り組むべきだった。」と悔やんでいるという。
 商工会議所や商店街は、先の通常国会で成立した都市計画法中心市街地活性化法の改正案に期待を寄せているが、会長は「新たな大型店舗の立地が規制されるだけでは、現在の状況と変わらない。市や商工会議所と一体となって、どれだけ有効な(中心市街地活性化)基本計画を練って、実行できるかが重要」と言っている。
 まず、言わせてもらうと、TMO「株式会社オアシス今市」のホームページ(http://www10.ocn.ne.jp/~oasys/oasis.html)が、魅力がなさ過ぎる。これで、「たくさんの人にリンクしてもらいたい」という気持があるのかという感じである。職員が作ったのだろうか?できれば、お金をかけて、そんなにすごいといわないまでも、魅力あるホームページにするためにプロに頼んだらどうだろう。
 それに、最初に出てくる風水の図のようなものは、なんだろう。文字が見えないし、何を言おうとしているか不明。活性化の意気込みがあるなら、今営業している店を取り上げたり、ネットショップにするなど工夫したらどうか。新しく出店するばかりの店が、大事でもなかろう。
 以前からの店、今後出店する店が一体となって取り組まなければ活性化は難しいし、また、そうしなければ、出店する人も少ないのではないか・・・。
 また、「空き店舗BANK」を見て思うのだが、中心市街地として活性化させようとする商店街の規模が広すぎる。商圏の規模や人口から考えて、まとまりのある商店街(ストリート)にしないと、結局、個店単位の戦いになってしまう。 できれば、個店に面するメインストリートは、歩行者・自転車専用道路とし、輸配送用の道路は、店の裏を通すなどの工夫が必要という気がする。
 いずれにしろ、中小企業経営・政策や運営管理で習ったTMOの組織運営上の問題点に、「市町村のリーダーシップの不在」が言われている。
 中心市街地の活性化は、それぞれの街にあった商店街の形成が重要であり、ただ店舗を増やせばいいということではなく、充実した個店と適切な規模の集積が重要だと思うunizouは、是非、今後の市町村のリーダーシップに期待したいと思う。

*1:日光・例幣使・会津西の3つの街道全長37Kmの両側に約13,300本がうっそうとそびえている。徳川家康(1542年〜1616年)の忠臣松平正綱が20年余の年月をかけて20万本余の杉を植え、家康の33回忌にあたる慶安元年(1648年)日光東照宮に寄進したという。現在日本で唯一、特別史跡特別天然記念物の二重指定を受けている。また、平成3年にはギネスブックによって、世界一長い並木道として認定されている。