日本人として・・・

 毎日生きていると、運がいいことも悪いこともある。
 「運がいい悪い」というのも、実際はそんなに大袈裟な話ではなく、ちょっとした嬉しいこと嫌なことがあった程度の話ではある。
 毎日、宝くじが当たったとか、家に泥棒が入って大金を盗まれたなんて事が起こっているわけではない。
 それでも人によっては、毎日、自分が思ったようにことが進んで宝くじが当たったような人生でないと、いい人生でないと考えている人たちもいるようだ。
 最近、朝日新聞で「分裂日本―新しき富者」という特集が組まれている。
 日本という国から離れて、税負担の軽い各国を渡り歩いている富裕層の人たちに焦点を当てている。
 資産を持ちながらも日本での相続税負担を嫌って、相続・贈与のない国に移住しようとしている人や所得税の負担の少ない国に移住し預金1億円の利息で暮らしている人を紹介している。
 そして、第1回目の最後に「高所者への減税などは『豊かな層がより豊かになれば、弱者にも富が行き渡る』というシナリオだった。だが、そこで『公助』の支え手と期待された富裕層が日本脱出や租税回避に動く。自国での負担に納得が行く道がないのか。支え合いから離れ始めた新しく富者の情景を追った。」と書かれている。
 このテーマが一体何を訴えようとしているのか、unizouには理解できないところがある。
 確かにシナリオはあっただろうが、国家に対する帰属意識がなく、自分の幸せのみを考えている人には、どんなシナリオでも有効には働かないだろう。
 そもそも、こういった人たちは普通の人たちではないのだ。そして、全部に網をかけるようなシナリオなどできようはずもない。
 それを訴えて、何をしようというのだろうか。国の政策が無策だったと訴えるつもりなのだろうか?それとも、富裕層に対する所得税減税が庶民のためにならなかったのと同じように、消費税増税が庶民のためにならないというキャンペーンでもしていくつもりなのだろうか?
 所詮、どんなにいい政策であろうと、その網を掻い潜ってでも、自己の利益に固執する人たちにとっては無策に近いものになるだろう。
 いたずらに、そういった例外の人たちのことを取り上げて、政策の良し悪しを判断すれば、採るべき道はなくなる。この日本が好きで、日本という国に生まれてよかった。そして、この国でもらったお金は、この国に返そうと思っている人たちが残っていれば、よっぽど常識を離れた政策でない限り、可とせざるを得ない。
 unizouにしてみれば、貧乏人の僻みかもしれないが、そういった富裕層が日本で恩恵を受けることがないような政策を考えて、いいとこ取りをしないようにしてもらえれば、それで十分満足であると思うのだが・・・。
 先日、お金を持ちすぎて一生では使い切れず、人に施すことによって自分の存在意義を見出すといういい例があった。
 米投資会社バークシャー・ハサウェー会長で世界第2位の富豪として知られるウォーレン・バフェット氏(75)が、資産の大半をマイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏の財団などに寄付する意向を示しているというニュースがあった。総額約440億ドルに上る資産を保有するバフェット氏は、ゲイツ夫妻が設立した「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」には、約300億ドル相当を寄付するという。
 unizouも、そんなにたくさん持っているわけではないが、日本人として、郷土のために多少の役に立ちたいとだけ思っていようと思う。