ジョブローテーションへの疑問

 最近職場で気になることがほかにもある。
 unizouの会社は、2〜3年、短い場合は1年で、人事異動で仕事が変わる。これはここ数年に始まったことではなく、我が社では数十年に渡って採用されている人事制度だ。
 そして、その人事制度を隠れ蓑にしてなのか、責任ある仕事や難しい仕事が振られそうになると、「それ俺の専門じゃないから。」と言って、逃げる者がいる。現時点で、その仕事の分掌は彼なのにだ。
 我が社は、ジョブローテーションが盛んと言っても、採用後にすぐ配属される部署が、生涯、その人の出身部門としてついてまわる風潮がある。さすがに採用後の最初の部署は4〜5年従事する傾向にあるので、その分野についてはある程度精通できることになる。そして、社内隠語で、出身部門を「背番号」などと表現している。例えば、採用後営業部門に配属された人は、その後、総務、人事、製造と渡り歩いたとしても、「あの人の背番号は『営業』だ。」と評される。
 ゆえに、背番号とされる分野については、この会社にいる限り、他分野に比べれば当然詳しくなければならないのだが、その後のジョブローテーションによって、その専門性はすっかり失われ、背番号も含めて、どの仕事が専門なのかすっかり分からなくなってしまっている。
 冒頭の例ではないが、背番号が営業にもかかわらず、俺の専門ではないと、いけしゃーしゃーと言っている社員がいたのにはいい加減あきれた。
 確か2〜3年で仕事を代え、その意図を汲んで皆がちゃんと各部署で仕事を覚えていけば、組織は活性化し、皆が自分の適性に合う仕事にも出会えよう。しかし、我が社にはその意図を本当に汲んでいる社員がどれほどいるだろうか。2年我慢すれば次へ動けるため、中長期的な観点での仕事をしないのはもちろんのこと、短期的にも今まで誰もとりかからなかったような繰越案件になかなかメスを入れない。
 本当にこのままでいいのかと真剣にunizouは考えている。
 ジョブローテーションの本来の目的は、人材育成であり、加えて、従業員の適性発見、マンネリズム打破、モラール高揚、セクショナリズム防止などに効果があるとされる。
 社内で人事制度について、どうあるべきか、意見できる機会でもあればいいと思うのだが。しかし、ジョブローテに疑問なく、これまでの人事制度を已然踏襲しているわが人事部に意見交換会をしようという発想があるか、甚だ疑問だ。