システム開発とポジティブアクション

 題名のシステム開発ポジティブアクション
 一見、関係がないように思える二つの言葉・・・。
 unizouにとっては、この二つの言葉が最近のホットワードになっている。
 そして、悩みの種でもある・・・?
 診断士を目指している方なら、この二つの言葉が、中小企業診断士の資格を取るために必ず学習する言葉とすぐにわかると思う。
 ソフトウェア開発は、「経営情報システム」で、そして、一方のポジティブアクションは、「企業経営理論」で・・・。
 以前のブログに、課内の事務の効率化を図るために、「unizouが専担となってシステム開発をしている。」と書いたことがあったのを覚えていただいているだろうか?
 元々、unizouの担当の仕事ではないのだが、数年前に社内の人数が削減されることが決まり、真っ先に庶務関係の人間を減らすことになった。そのため、支店にある庶務担当者の事務を削減するために、昨年の9月から、2,500名近くの社員から紙ベースで出てくる人間ドックの申込みを、社内LANを利用したWeb方式にするためのシステム開発をしていたのだ。
 ところが、「経営情報システム」で習った「ソフトウェア開発」よろしく、実際に担当している女性社員が行っている業務を分析・設計していくことが大変なことだった。
 開発のためにお願いした外部業者も、彼女の話を根気良く聞いてくれているのだが、業務はファジーな部分が多く、システム化するのに苦労していた。
 そのため、何度も何度も打ち合わせを行い、現在の業務の流れを把握しシステム化するための設計をしていった。
 診断士の学習で言えば、ウォーターフォールモデル*1ということになろうか?
 ウォーターフォールモデルの本来の特徴は、「前の工程に後戻りしないこと」であるが、実際の開発作業では「頻繁に逆戻りが発生する。」という。まさしく、今回のソフトウェア開発の開発工程もそのとおりで、何度も行ったり来たりを繰り返し、この3月に完成したのである。
 そして、この5月から運用を開始しWeb方式の申込みに若干のバグは起きたものの、問題なく終わった。
 申込みの締め切り後、女性社員が社員からの申込みデータを整理をするのであるが、彼女にとっては思っていたやり方になっていなかったようで、パニックになってしまった。実際は、ファジーな部分を残してシステム開発をしたので、「ボタン一発」ということにならないのだが、本人は、そうなるものと思っていたようで、以前の紙ベースのほうが楽で良いという。つまり、自分の要望を伝えた結果がこういうシステムなったということを理解できないのだ。しかし、結果としては、紙ベースで行った昨年に比べ、彼女の事務量も支店の庶務事務の事務量も大幅に削減することができた。
 それでも、彼女の機嫌は直らないまま、専担者であるunizouにも、一緒にシステム化の作業に加わった若手社員のM君にも口を聞かなくなってからしばらくが経っている。
 そして、もう一つの言葉、ポジティブアクション
 これは、企業経営理論の人的資源管理で習う。
 男女雇用機会均等法では、女性の優遇措置も禁止しているのだが、その例外として、男女の均等な機会・待遇の支障となっているような事情を改善するための措置については認めているという。
 企業内にある役割分担や昇進などの男女格差を撤廃・改善するために、女性を優先して採用したり、有利に取り扱ったりする措置のことで、求人広告では「ポジティブアクションによる幹部候補募集(女性のみ)「教育研修あり〔女性のみ)」などと書かれているそうである。
 わが社においても、このポジティブアクションは幅を利かせている。
 今回のシステム開発がらみの彼女もそうであるし、unizouの周りには、そのほかにもたくさんいる。
 しかし、一体この制度が良い制度なのか、unizouにはさっぱりわからなくなっている。男性社員から見れば、逆差別のようであり、女性社員から見ると、女性社員はいきなり経験もしたことがないようなことをさせられ、背伸びをしているようにも思える。
 これから、実際に女性社員が登用されていくのだろうが、本当は、ポストにこだわるより、男性女性に関係なく、「いい仕事をしたい」「自分の感性をいかしたい」ということを主眼にして仕事をしてもらいたいと思う。
 上の人がすべて立派な人だと限らない。いい仕事をしてきた人でも、いい仕事をしている人でもないのが現実である。
 本当は、何を成し遂げるかが大事なのに、ポジティブアクションで登用された女性たちが、男と同じように長時間労働をし、酒を飲んでグチを言い、部下や同僚に理解がないようでは、弊害しか残らないと・・・。
 ホットワードも、試験勉強にはいいが、実際の社会生活では、苦しいばかりである。

*1:古典的なシステム開発モデルで、システム全体を一括して管理し、分析・設計・実装・テスト・運用をこの順に行っていく。各工程が完了する際に、前の工程への逆戻りが起こらないよう、綿密なチェックを行なう。水が瀧を流れ落ちるように開発が進んでいくことから、このような名称になった。