夕張市が倒産

 昨日地域再生絡みで構造改革特区についてブログに書いたが、一方先週の20日驚くニュースが入ってきた。
 それは、「北海道夕張市、市長が『倒産』正式表明」というもの。
 かつては炭鉱の町として知られ、今や夕張メロンや国際映画祭で知られる北海道夕張市が、民間企業の倒産に当たる「財政再建団体」の申請を行うことを正式に表明した。今後は、国の管理下で再建に取り組むが、借金まみれの実態は長年、隠され続けた。景気回復が遅れ、国から配分される地方交付税も減り続ける地方の中には“倒産予備軍”も少なくないと言われている(http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/danmen/danmen2006/0624.html)。
 20日夕張市議会で自主再建を断念し、倒産を正式表明した後藤健二夕張市長は、「自力での夕張市財政再建は困難であると判断をし、法の下での財政の再建に取り組む決意をしたところでございます」とコメントした。
 夕張市は炭鉱の閉山で人口が10分の1に減り、観光の町への転換を進めてきたというが、 膨れ上がった借金は、市税や交付税などを合わせた財政規模の10倍以上の500億円を超える。この異常事態を招いたのは、本来、当座の資金繰りのために金融機関から短期で融資を受ける「一時借入金」の乱用だと報じられていた。10年ほど前から赤字を一時借入金で穴埋めして、表面上の決算は黒字を装い、外部に露見するのを回避。借金を新たな借り入れで返済する自転車操業の泥沼にはまった。
 また、実質的に地方財政法で定められた道知事の許可を得ない「ヤミ起債」で、観光関連施設の資金を調達していた疑いがあることも指摘されている。
 この破たんの一番のしわ寄せは、住民生活に及ぶ。
 過去の再建団体へ申請事例は、14年前の1992年に福岡県旧赤池町の例がある。旧赤池町民は、保育料や水道料金、公営住宅の家賃は値上げされ、道路の補修でさえ簡単にはできなくなるという負担を強いられたそうだ。
 総務省は、夕張市の倒産を受け、自治体の一時借入金について全国調査を実施するとしている。
 この経営責任は誰にあるのか?問わずにはいられなくなる。
 組織が巨大化すればするほど、責任が分散され、ぼやけ、その所在が見失われていく。中小企業の社長ではそうはいかない。公務員は公共の福祉のためにあるものだ。職員一人一人の自覚を再確認・再認識していただきたい。