ライセンスビジネスvol.2

 先日、伊藤忠商事三井物産などの総合商社が、海外有名ブランドの生産・販売権の獲得に凌ぎを削っているとブログで書いたところ、住友商事㈱が、アメリカのアパレルブランド「バーニーズジャパン」を買収したとのニュースが飛びこんできた(http://www.sumitomocorp.co.jp/news/20060620_163812_seikatu.shtml)。
 何でも、住友商事㈱と投資ファンド運営会社の東京海上キャピタル㈱は20日、㈱伊勢丹から、同社の100%出資子会社である㈱バーニーズ ジャパンの発行済全株式を取得することについて合意し、株式譲渡契約を締結したことで実現した買収劇だそうだ。これにより、住友商事㈱は、「バーニーズ」製品の日本での販売権を獲得、「ここへ行けば、必ず面白い発見がある」と、モード関係者の間で絶大な人気を誇るバーニーズニューヨーク、そのバーニーズブランドのトレンドを先取りした質の高いセレクトを武器にしたブランド展開が期待される。
 ちなみに、住友商事㈱はブランド戦略を次のように捉えている。
 「住友商事㈱は、ブランド事業を今後の成長が期待される戦略分野と位置づけておりますが、ライセンス・輸入代理店型のトレード収益の量的拡大を目指すのではなく、厳選したブランド事業に資金と人材を投入し、事業価値の向上を通じたリターン獲得を狙う戦略を推進しております。」
 バーニーズジャパンの店舗は、現在新宿、銀座及び横浜店の3店舗、平成18年2月期の売上は約156億円であった。住友商事㈱が打ち出した将来のビジョンによれば、今後大阪、名古屋に出店し、5〜6年の間に店舗を6店体制に拡大し、年間売上高も倍増の300億円を目指すとしている。
 バーニーズ買収が吉とでるか凶とでるか。ブランド戦略それ自体が吉とでるか凶とでるか。商社生き残りの柱となる戦略ゆえに注目に値する。