会社法vol.5(番外編)

 診断士の勉強を始めてから、毎朝新聞を読むのが楽しみである。大抵これまで勉強した事柄が何らかの形で記事に掲載されている。それに気付けるのが面白いのかもしれない。
 昨日のブログに書いたざる法の話、「ざるなのは法律ではなくて執行態勢であり、世の中のいろいろな法律がきちんと守られるような態勢を作ることが急務なのである」と。
 それは、どうやら証券取引法にも言えるらしい。
 例えば、東京証券取引所に上場するには、東京証券取引所上場審査基準を満たす必要がある。この形式基準と実質基準をクリアするのが大変厳しいという。
 偶然、資格の学校で講師の先生から聞いた話だが、先生が以前勤めていた会社が、株式上場を経験したそうだ。社内に株式上場プロジェクトチームが立ちあがり、常務取締役を筆頭に東京証券取引所、主幹事証券会社を奔走したそうだ。
 その会社では、誰も欠けることなく上場の日を迎え、上場記念ボーナスが社員全員に支給されたそうだが、株式上場は社員が1人亡くならないとできないと言われるほどの激務なのだそうだ。
 しかし、読売新聞で現在特集中の「許すな組織暴力」を読む限り、その審査も疑わしい。
 というのも、5/8に東証2部上場の「菱和ライフクリエイト(http://www.ryowagrp.co.jp/)の社長が、指定暴力団某組長と共に逮捕されたと報じられたからだ。急成長企業のトップと暴力団との癒着が明るみにでた。
 東証は、2001年4月に上場審査基準のガイドラインを改め、「申請会社や利害関係者、取引先が、暴力団への資金提供や暴力団との交流を行なったり、暴力団が会社経営に関与するなどした場合、上場は不適当」と初めて暴力団排除を明記した。
 菱和ライフクリエイトの上場は、2003年12月。主幹事証券として、菱和ライフクリエイトの上場審査を担当した日興コーディアル証券は、「厳正な審査を行ったが、当時は暴力団の関与は認められなかった。」とコメントしている。
 まさに「いろいろな法律がきちんと守られるような態勢を作ることが急務なのである。」を痛感するニュースだった。