正社員有効求人倍率

 2007年度の就職活動が本番を迎えているようだ。
 街を歩いていると、リクルートスーツ姿の学生を見かける。
 景気回復や少子高齢化による人手不足感の高まりとともに各社の新卒採用は好転しつつあり、今年の新卒採用は、「売り手市場」であると報じるニュースをよく耳にする。
 その一方、企業で、パート社員を、正社員に積極的に登用するケースが目立つようになているそうだ。これまで社員の「パート化」で人件費削減を進めてきた企業が、パート社員を正社員として早めに囲い込み、「身近にいる優秀な人材の流出」を防ぐ戦略に転じているためだ。景気回復による雇用情勢の改善が、企業の人事政策にも変化をもたらしている。
 毎週月曜の読売新聞朝刊付録「Y&Yしごと」の特集記事に「パート→正社員囲い込み作戦!」と題して、りそな銀行西友の例が掲載されていた(http://job.yomiuri.co.jp/news/special/ne_sp_06050801.cfm)。
 りそな銀行では、これまでにパート女性社員役100人を、西友では、この4月にパート社員5人を初めて正社員に登用したというが、両者の状況は少々異なる。
 りそな銀行を傘下に置くりそなホールディングスは2003年に実質国有化されて以降、大規模なリストラに取り組んできた。登用制度の導入に踏み切ったのは、経営状況に改善が見られたことで、収益力UPのため、「守りから攻めへの転換」を図る必要に迫られたためだという。
 西友グループはというと、人件費の安いパート社員を増やすことで、リストラに取り組んできた結果、店舗でのパート社員の比率は8割以上にまで増え、これ以上上げると店舗経営が難しくなるという。
 こうした動きに対して、厚生労働省でも2005年11月から企業に「正社員化」を促す目的で、「正社員有効求人倍率」を発表し、さらに今年度からパートを正社員に登用する制度を設けた企業にパートタイム助成金を支給するなどの政策を進めるのだそうだ。
 正社員有効求人倍率とは、正社員有効求人数を常用フルタイム有効求職者数(正社員だけでなく、フルタイム勤務を希望する派遣者社員や契約社員を含む。)で割ったもの。
 ちなみに、この3月の有効求人倍率は1.01倍であるのに対し、正社員有効求人倍率は0.64倍。
 人出不足の解消のカギとされる、女性を中心としたパート社員からの「昇格組」、資格取得にも熱心な優秀な人材が多そうだ。unizouもうかうかしていられない。背筋がしゃんとした。