自分のルーツ2

 偶然にも、自分の祖先を探すという話を、一つは、昨日の読売新聞朝刊、もう一つは、今朝の産経新聞で読んだ。
 既に、unizouも去年の9/16付で、「自分のルーツ」と題したブログを書いている。
 産経新聞で驚いたのは、まず、自分自身のルーツを探ろうと、家系図作りに取り組む人が増えているということ。その背景には、家制度が崩壊しつつあるといわれる現代、先祖の足跡などを探ることで、今の“自分”を確認したいという気持ちがあるようだと指摘されていた(http://www.sankei.co.jp/news/060415/bun039.htm)。   
 しかし、単にルーツを探るといっても、戸籍を遡るには一定の技術がいる。一口に戸籍といっても、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本があり、何世代に渡って、何通もの謄本を解き明かさなければならないのだから、一朝一夕に分かるものでもない。
 と思っていたら、なんと便利な世の中なのだろう。調査のテクニックを紹介したマニュアル本や家計図作成に便利なパソコンソフトが発売されているのだそうだ。
 紹介されていたのは、パソコンソフトメーカーの石川コンピュータ・センター(石川)の「親戚まっぷ」、平成16年の発売以来五千本を売り上げ、「地味な市場と思いきや(開発担当者談)」、意外なヒット商品となったそうだ。
 一方、読売新聞は、特集記事「生きる〜緩和ケア病棟から〜」の第4回目「自分のため 子孫のため」。
 肝細胞がんの治療を癌研究会有明病院の緩和ケア外来で受けているある男性。
 再発・転移が分かった後、実家に伝わる過去400年の歴史文書を、家計図をともに一冊の本にまとめる作業を始めたという。
明治維新や第2次世界大戦など、激動期に自分と血のつながった人々が何を思い、どう行動したのかをたどることは、自分の存在を確認する作業でもある。2人の子供たちに伝えたし、その先の子孫のためにも、今、整理しておくことが自分の使命だとも感じる」とコメントしている。
 そして、「いつの世も、先のことは分からない。今を必死で生きるしかないということですね。この仕事が生きる支え。仕上げた後のことを考えるとなんだかさみしくて。」と締めくくっていた(http://www.yomiuri.co.jp/iryou/feature/20060414ik05.htm)。
 変なものだが、古い戸籍謄本で、実際に第2次世界大戦で戦死した祖先の記録を目の当たりにすると、これまで書籍や映像で見てきた戦争とは違った感覚を覚える。
 平成の今、死亡届は近しい親族が提出するのがほとんどだろう。しかし、当時の死亡を知らせる戸籍の記録は、場所は、南方の島や大陸だったり、死亡を確認した人は同じ軍の隊員であったことが読み取れる。
 自分の祖先にだけ限らないが、こういったごく普通の人々の犠牲の上で、今の自分があることを改めて痛感させられるのだ。
 ひとそれぞれ「自分のルーツ」を探るきっかけがあるようだ。
 最後に除籍謄本の保存期限が80年であることを念押ししておこう。急がないと廃棄されてしまうから。