unizou暁を覚えず

 4月に入ってやたらと眠い。そんなことないだろうか?
 気合いが足りないと言われればそれまでかもしれないのだが、体に異変が起こっているのではないかと心配になるくらいだ。
 ふと、学生の頃、漢文の授業で習った漢詩のフレーズを思い出した。
 「春眠暁を覚えず」孟浩然作
 確か春は眠いと詠っていたと思うが、気になりついでに調べてみた。
 Yahooで「春眠暁を覚えず」と引くと、でるわでるわ、ブログの題名の嵐。
 みんな眠いんだなぁと仲間を得た気になって、ホッとしたのも束の間、なかなか本題の意味にだどりつけず、イライラする。
 仕方なく、久しぶりに「ことわざ(故事・成語・慣用句)辞典」田島諸介著(㈱梧桐書院発行)を取り出し、早速引いてみた。

「春眠暁を覚えず」…春は暑さ寒さの寝苦しさがなく、一度眠りにつけば、明け方も気づかぬ。
出典は、「春眠不覚暁、処々聞啼鳥(あちこちに鳥の声がする)」、『春暁(しゅんぎょう)』孟浩然。

とある。
 そして、作者「孟浩然」についてYahoo辞書で調べてみると、

中国、盛唐の詩人。襄陽(じようよう)(湖北省)の人。名は浩。浩然は字(あざな)。官には就かなかった。五言詩を多く作り、絵画的な自然描写にすぐれて王維と並び称された。特に「春暁」は有名。もうこうぜん。[(六八九〜七四〇)]。

 盛唐の詩人!689〜740年!
 そっか、春が眠いのは、もう千年も前から言われていることなのだ。そしてそれは時代が移り変わった今もなお変わってはいない。
 確かに、春の夜は快適で寝心地がいい、夜が明けたのも気づかないほど熟睡してしまい、なかなか目が覚めない。
 そう言う今朝もハッとした。カーテン越しの外の様子から、すっかり日が昇ってそうな気配だったからだ。目覚まし三台もしっかり消えている。なぜだろう?
 それも自然の摂理と思いつつ、千年のお墨付きを素直に受け入れるとするか。