店舗設計(スタンド看板)とバリアフリー

 運営管理で店舗設計を習った。
 店舗構成は店頭と外装に分けられ、さらに店頭は店頭閑地、出入口、犬走り、ショーウインドウなどに、そして外装は看板、ファサード、パラペットに分けられるという。
 その中の看板については、日常生活の中でいつも不快に感じることがあるので書いておこうと思う。
 看板は、屋上看板、袖看板、パラペット看板、壁面看板、そしてスタンド看板という種類に分けられるのだが、スタンド看板については、バリアフリーの視点から、その出し方で店の品格を疑ってしまう。
 看板を含めた外装は、通りの人たちの注意を引き、店舗をアピールする極めて重要な役割を持っているというのは理解できる。
 しかし、どの町に行っても路上まではみ出し、挙句に注意喚起用誘導ブロックへかかっているものが多い。売れれば何でもありという世界である。スタンド看板だけでなく、パンフレットやチラシまでパンフレットスタンドに入れて置いている店もある。特に不動産業者や旅行業者に多く見受けられる気がする。
 以前、自動販売機が歩道にはみ出して設置されて迷惑だったのを、撤去や敷地内への移設が進められて改善された記憶がある。
 福岡市土木局のホームページで不法占用物件対策を見ると、

(1) 道路上の置き看板のぼり等の不法占用物件は、交通弱者や歩行者の通行障害となるばかりでなく、都市美観の観点から昭和61年度から主要幹線道路等を中心に撤去指導、除却を実施しています。
(2) 道路上の自動販売機については平成3年度から6年度にかけ実態調査を行い、4年度から撤去を実施し、不法占用の販売機4,548台のうち98%(平成6年度)を適正化しています。
(3) 道路上で青果・花・食品等の陳列・販売を不法に行う露店や店舗のはみだし商品については、警告、撤去指導の実施や道路の構造改良により排除を行っています。
(4) 平成8年度から「露店、店舗の商品、置き看板等が道路を不法に占拠し通行障害等が際だっている」複合的不法占用実態にある地域の重点対策に着手しています。

というように取り組んでいるそうである。
 しかし、unizouの町では、なかなか改善されない。
 どんなに行政ががんばって取り締まっても(取り締まっていないかもしれないが?)、商売を止めさせられたり、相当高額な罰金でも払うことになったりしない限りお店はいうこと聞くまい。
 では、どうしたらいいか・・・?
 unizouは、消費者が選別してそういう店を使わないようにすることが一番なのだと思っている。法令遵守ができていることをベースに、消費者がお店を選ぶようにすれば、お店が淘汰されていくのだ。
 そして、もう一つの方法は、商店街全体で取り組むことがいいと思う。
 横浜元町商店街のHP「Craftsmanship Streets Motomachi」http://motomachi-cs.com/index.htmlでは、

(3) 看板・広告物・日除け類について
 仲通り地区の街並みの特色として、各店舗の絵看板設置を推進します。ファサードの個性を生かすため看板・広告物・日除け類は極力小さくし、個性的なものにしてください。自店舗以外の看板および1m×1m以上のポスター等広告物の掲示は禁止します。ファサードを改修する等の場合は本協定のさだめるところにしたがってください。
3-1)袖看板
袖看板の設置高さは路面から3.5m以上、建物からの出幅を道路占用1m以内とし、上下寸法を4m以内とします。内照式箱型看板の設置は極力避けましょう。
3-2)軒下看板
軒下看板の設置は、地上からの高さは2.5m以上とします。
3-3)壁面看板
内照式壁面看板の設置は極力避けましょう。
3-4)屋上看板
屋上看板の設置は禁止します。
3-5)置き看板
置き看板は可動式とし、歩車道上への設置は禁止します。
3-6)のぼり
のぼりの設置は極力やめましょう。
3-7)テント・日除け類
ファサードを重視した各個店の個性を生かしたものとしてください。

と書いてあり、街づくりの考え方は、

 元町仲通り地区は、恵まれた歴史や文化を身近な遺産として残し、訪れる人々に様々な発見や体験、夢や感動を与え、また住むことにプライドのもてる街づくりを目指します。
 歩きながら、おしゃべりしながら、店先を眺めたり、お茶を飲んだり、犬や猫が横切り、草花の香りや美味しそうな食べ物の匂いが漂う、五感に訴える楽しいふれあいの通りを目指します。
 確かな手の技を持つこだわりのお店、長く住み続ける人々、通りで暮らす様々な人々の生き生きとした個性が、趣と魅力ある600メートルの街並みをつくり、育て、守っていきます。

という。
 こんな商店街だったら、癒されるなにかがあるような気がして、毎日訪れたくなるかもしれない。長い目で見れば、スタンド看板一つの設置の仕方で、その店の信用度が高まっていくのだ。