対面販売

 「運営管理」も後半、主に工場と対象とした「生産管理」を終え、店舗施設を対象とした「店舗・販売管理」に突入し、そこで「販売形態と売場」と題し、販売形態(対面、側面、セルフ)について学習した。
 学習するまでもなく、日ごろ私たちが買い物をすれば、そこが対面販売形式なのか、セルフサービス方式を採っているのかは、おのずと分かってくるのだが、きちんと学問的に整理されていた。
 「対面販売」は、販売員がデスクなど什器をはさんで顧客に対応する形態。
 高価で複雑な商品でも納得して買ってもらえるなどのメリットがあるが、販売員のコストがかかるなどのデメリットがある。
 貴金属や化粧品、医薬品の店舗で採用されることが多い。
 一昔前は、鮮魚店精肉店など、小規模の専門店に多い販売スタイルでもあった。
 そういえば、最近こういう個店をあまり見かけなくなったな。
 「側面販売」は、販売員が顧客と同じ側に立って説明をしながら販売する形態。
 顧客が自由に商品を選べるなどのメリットがあるが、売り手が販売の主導権を握りにくい等の
デメリットがある。
 スポーツ用品店や家電量販店、ペットショップ、アウトドアショップ等で採用されることが多い。
 先日、コジマ電機でパソコンのコードを買いに行ったとき、確かにいろいろ質問しながら選んだ
っけ。
 「セルフサービス」とは、顧客が自由に商品を選択する形態。
 販売員の効率は最もよいなどのメリットがあるが、顧客に商品知識が豊富でないと購入が進ま
ないといった制約がある。
 販売員による接客をわずらわしいと思う顧客も少なくないため、顧客側にとっては自由に商品を選択できるというメリットもある。
 スーパーやコンビニ、ディスカウントショップなどが典型的な例だ。
 これは、一番馴染み深い販売形式だな、自分で自由に品物を手にすることができ、気兼ねなく選べるのは何よりのメリットかも。
 近所に、unizouが小学校に入る以前から、今も変わらず対面販売を続けている豆腐屋(もちろん個店)がある。
 「おじさん!絹ごし1丁!」とボールを片手に注文すると、出来立ての豆腐を水槽から大事そうに取り出し、ボールに入れてくれる。
 冷奴には絹ごし、湯豆腐には木綿が最高だ。
 味にはとても定評があり、休みの日には遠方からもわざわざ買いに来るお客さんがいるほどだ。
 マスコミからの取材や大手スーパーへの出品の依頼もあると聞く。
 しかし、ここのご主人は一向にそれを断っている。
 なぜなら、作り手は、ご夫婦と息子さんの3人、品質を落とすことなく作るには今の店舗の規模が最適なのだそうだ。
 工場兼店舗であるため、unizouは、ご主人が朝早くから仕込みを始めるのを見ている、大豆の茹で上がるいい香りに包まれて朝は始まるのだが、寒い冬など、水仕事は本当に大変そうだ。
 しかし、ご主人は豆腐作りが心から楽しくてたまらないのだそうだ、しかもまだまだ研究途上にあって、今なお、日々おいしい豆腐を目指し続けていると聞き、頭が下がる想いである。
 このご主人の愛情たっぷりの豆腐を食べる度、もっと多くの人に知ってもらい、食べてもらいたいと大規模化を思う反面、このまま知る人ぞ知るの豆腐でいてほしいと家庭内企業のまま望んだりして、企業経営論や運営管理を学んでいる者とは思えない考えをついつい抱いてしまうことをお許し願いたい。