サブリッグ記号

 工場などの現場レベルで生産性を向上させることを究極の目的とするIE(=経営工学)の中で、作業者の行う全ての動作を調査・分析し、最適な作業方法を求めるための手法の体系である動作研究について学んだ。
 はじめは、「工場での話か。」とあまり現実味を感じずにテキストを読み進めていたが、動作研究の辺りから、事務職のunizouも身につまされるような内容になった。
 動作分析は作業の中に含まれる動作のムリ、ムダ、ムラを排除し、楽に効率良く作業できる方法を見つけ出すのが狙いだ。
 つまり、優れた技能・やり方を発見し、作業方法をある程度標準化し、定着させ、作業の改善を図るのが動作分析の目的である。
 そして、動作分析の代表的な手法がサブリッグ分析(微動作分析)。
 サブリッグ分析とは、作業を構成する動作を分析することによって、より効率的な作業方法を研究する手法で、ギルブレスによって考案された。
 彼は、人間の行う全ての動作は18種類の基本的な動素に分解できることを発見し、分析のための記号を考えだした。
 この分析記号をサーブリッグ(Therblig)といい、何でもギルブレス(Gilbreth)の名前を反対つづりにして名づけられたものだそうだ。
 18種類のサーブリックは、その性質によって次の3分類に分けることができる。
 ① 第一類…作業を行う上で直接有効な動作で、価値を生む作業であり、排除することはできないが、順序や方法を変えることで楽に、早く作業することができる。
 ② 第二類…直接有効で価値を生む作業ではないが、必要な作業であり、作業を進めるのを遅らせるので、できるだけ減らす。
 ③ 第三類…仕事が行われていない状態を示す。この類の動作は排除すべきである。
 unizouの1日をサブリック記号に置き換えるとどうなるか?
 もちろん、事務職と作業現場では、動作の分類が同じとは限らないが、「考える」、「探す」、
「見出す」といった第二類に属する作業があまりに多いため、これらが価値を生まない作業にくくられるかと思うと自分自身の生産性を意識せずにはいられない。
 ここのところ、我が部署でも、しきりと事務効率の改善をスローガンに、事務の見直しが求められている。
 しかし、現場レベルで言うところの動作研究や工程研究まで掘り下げて、ギリギリの議論しているわけではない。
 作業改善を突き詰めると、動素研究にまで行き着くことを知り、我が部署の上辺だけの生ぬるさに無償に恥ずかしくなった。