不明朗会計と行政

 着服した金を愛人17人との交際費に充てていたことや法廷での「結婚宣言」で話題となった大手食品メーカー「敷島製パン」(名古屋市)の健康保険組合の保険料横領事件、愛人との関係や監査体制の不備に話題が行きがちだが、日本のシステムの縮図だと感じて仕方がない。
 きちんとした大企業の健康保険組合でさえ、長年にわたって不明朗な経理を行うことができるのである。もちろん、金額が多すぎて、今回、やっと見つかったが・・・?
 それ以外にも、全国小売酒販組合中央会(東京)の年金資金が長年にわたり不正に支出されていたという事件があった。人様から預かった公金を、いとも簡単に流用してしまうのである。
 こんなことは、大企業から中小企業、そして任意団体までたくさんあるだろう。
 ただ、見つからないでいるだけだと思う。
 企業は、それなりのシステムを持っているから、見つかれば誰かが責任を負うことになる。そして、損失を受けたとしても、その企業やステークホルダーが、見る目がなかったと嘆いて損失を蒙ればそれで良いと思う。
 一番嫌なのは、身近な自治会費やこどもたちがやっているスポーツクラブなどの会費、そして官公庁の外郭団体が集めている会費(交通安全協会など)など、誰もが、たいした金額でないので文句も言えず、また、お金のことに文句を言うことを恥だと感じている日本人が多いために野放図にされているという現状である。もちろん、すべてが、不明朗な会計であると言っているのではない。
 本当は、大企業の問題を論ずるよりも、こういった、庶民に関係のあることを、きちんとすべきではないかと思う。
 誰もが、今、「日本人は、お金に執着しない性質であった。拝金主義になったのは、ここ数年の構造改革のせい」と言わんばかりの勢いである。
 しかし、unizouは、人間は、日本人であれ、外国人であれ、もって生まれた性質で拝金主義にもなるし、そうでなく生きると思う。
 だから、システムをきちんとして、それを守るよう仕向けることが大事なのだと思う。
 東横インの問題で、横浜市が初めてハートビル法に基づく是正命令をしたそうである。
つまり、こんなふうに騒がれたからやり始めたのである。もし、騒がれなければ、行政は、きっとそのままにしたに違いない。
(それ以外にも、建築基準法違反や、農地法違反、産業廃棄物の問題などきちんと対応してもらいたいが・・・)
 公のお金を管理する場合は、公的なところに預けるか、そういったことを業とする企業に預けて明朗な会計にすることが、絶対必要だと思う。
 「そんな細かいことをどうして」と言う方もいるかもしれないが、そんな小さなことからお金に対する考え方のほころびは始まっていて、それこそが、日本のシステムの縮図なのだと思うからである。
 だから、人を信じるより、もちろん、信じるに値する人はたくさんいるが、きちんとしたシステムを構築し、そのシステムをきちんと稼動させていけば、問題は少なくなると思うのだが・・・。