皇室典範改正1
ここのところ皇室典範改正に絡んで「女性天皇」と「女系天皇」と言う言葉が目につく。
そして続くのは、「国民の多くは女性天皇と女系天皇の違いが分かっていない。事態の深刻さを知れば世論は変わる」だ。
世論は、愛子様が天皇になられることに対し、好意的な意見が多い。
問題は、その次の天皇だ。皇室の伝統は「女帝」は認めても、「女系」は認めてはこなかった。父方の系統に天皇を持つ「男系」による皇位継承を千数百年にわたって維持してきた。
男系・女系というとややこしくなるが、要は、「Y染色体」の継承問題だとunizouは以前から思っていた。
ようやく同じ論調の意見を目にし、内心ホッとしている。
「皇室が成し遂げているのは千数百年にもわたり、ほとんど同じ『Y』を受け継いだということ。われわれが直面しているのは、千数百年もの間純粋に受け継がれてきた『Y』を、いま絶えさせていいのかという問題だ。」(動物行動学研究家の竹内久美子氏)
「女子のXX型は遺伝子が混じり合うため、世代ごとに祖先の遺伝子が薄まっていくが、男子のXY型はY染色体が親から子へと完全な形で伝わる。血のつながりとは、科学的に言えば遺伝子の共有率だ。男子皇族だけに代々受け継がれてきたY染色体は姓や家紋に似ているといえる。しかし、体の細胞に刻印されているという意味で、はるかに強い実体をもつ。皇室には、(初代)神武天皇以来、Y染色体という刻印が連綿と受け継がれてきた。国民や世界の人々はそれでこそ皇室の中に二千年の歴史の重みを感じる。女系相続は、過去と現在の遺伝的なつながりを断ち切るという意味で間違いだ。」(同志社大ITEC(技術・企業・国際競争力研究センター)の蔵琢也研究員(進化生物学))
人間の染色体(遺伝子の集まり)は46本あり、男性だけが持つY染色体は性別を左右する重要な役割を果たしている。Y染色体を持つ精子が受精すると男子が生まれ、X染色体を持つ精子が受精すると女子が生まれる。男性の性染色体はXY型で、女性はXX型。卵子と精子が交わり受精する際、Y染色体は相手のX染色体と遺伝子をほとんど交流しないが、X同士は遺伝子が混ざり合う。
<女系系譜> <皇統> <男系系譜>
由美子さんの母 昭和天皇 夫の曾祖父
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小和田由美子さん 天皇陛下 夫の祖父
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雅子様 皇太子殿下 夫の父
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愛子様 愛子様の夫
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お子様
愛子様が民間人と結婚し、その間に生まれた子供は、父系は愛子様の夫の男系で、母系は雅子様の母の系統で、どちらをみても皇統ではない。
仮に愛子様が即位し民間人の夫との間に産まれた子供が皇位を継ぐと男系としても女系としても皇統を継いでない人間が天皇になる。
これを遺伝子的に見ると
昭和天皇XY ― 香淳皇后xx
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今上天皇xY ― 美智子皇后XX
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皇太子様XY ― 雅子様XX
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愛子様XX― 愛子様の夫Xy
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男子Xy
こう見ると、皇太子様まで「Y」が確実に引き継がれていることが良く分かる。
しかし、仮に愛子様が男の子をお産みになった場合は、皇統の証でもある「Y」が引き継がれず、過去125代の天皇とは性質を異にする男子が天皇を継ぐことになる。
これを認める考え方が「女系天皇」賛成派であり、愛子様が継ぐことには賛成する(男系の女性天皇)がその子についてはまだ議論の余地ありとするのが「女性天皇」容認派と整理されよう。
Unizouも、女性天皇と女系天皇の違いを理解した上で皇室典範改正を議論する方に賛成だ。そして、過去の10代8人の女性天皇の先例に学び、十分議論される必要があると思っている。