心のバリアフリーⅢ 明るい障害者

 日本テレビの日曜日夕方の番組「真相報道 バンキシャ!」で、障害者(脳性まひ)の両親を持つ昨年高校を卒業したばかりのプロレスラーフジタ”Jr”ハヤトの特集をしていた。
 両親が障害者だったために、赤ちゃんの頃から哺乳瓶を自分で加えて育ってきたということで、小さな頃から自立していたそうだ。
 彼の家は、障害者の両親、そして、両親を助ける介助者がいて、その空間はいつも賑やかで、笑い声が絶えない。
 以前、社内研修でバリアフリー研修をしてくださった中野佐世子先生が「障害者の人達は、健常者が思うよりずっと明るくて、楽しく生きている。」とお話していたが、まさにそんな感じだった。
 私たち健常者の立場だと、障害のために、毎日、そのことで悩み苦しんで、生まれてきたことを恨んで過ごしているような気がしてならない。
 しかし、実際の彼らは、自分の有り様を受け入れ、そして、日々過ごしている。
 人間のたくましさに、感動せずにはいられない。
 そして、親が障害者でも子は育つ。それも、フジタ”Jr”ハヤトのように、親思いで、自立している子が育っている。彼は、普段から障害者の介助をしているが、なんの飾りもなく自然な雰囲気でいる。
 環境が、子をダメにするのでないことは、このことからみてもわかる。
 「何でも不自由がないことが幸せか」というと、結局、何かが足りないと思い始めたら不幸せなのだと思う。
 「あるがまま」を受け入れて、純粋にひたむきに生きていくことが、幸せなのではないかと思う。
 障害のある母親が、昨年の9月に、フジタ”Jr”ハヤトをメキシコに修行に送り出すとき、自分の障害なんて関係なく、子を送り出す母親の心境は、それも、彼を心配させまいと彼を送り出したあとに泣いた母親の涙は、どこの母親とも変わりないものだった。
 特集を見ていて、涙腺が緩んで仕方なかった。
 何かが足りないと不幸せに思わず、授かっているものを生かしきるようにひたむきに純粋に生きていくことがいかに大事か、改めて認識させてくれた。
 今年の9月に、フジタ”Jr”ハヤトは1年の修行を終えて帰ってくる。
 昔は、アンドレジャイアント、ハルク・ホーガン、ブルーザ・ブロディなどの全盛期にプロレス小僧だったunizouも、すっかりプロレス離れしてしまったが、彼だけはかげながら応援していきたいと思う。皆さんも良かったら一緒に応援してくださいな。

1986年9月20日、東京都出身。脳性麻痺の身障者である両親の間に健常者として生を受ける。小さい頃から、障害者プロレス・ドッグレックスの選手「ゴッドファーザーJr」としてリングに上がる。プロレスラーになるべく、高校に進学しアマレスを始め、グレコローマン東京代表として全国大会に出場。この間もドッグレックスに上がり続けていたが、そこで新崎人生と運命的な出会いをする。2004年12月3日、東京・後楽園ホールで異例とも言えるメインイベントでのデビュー(vs中嶋勝彦戦)を果たした
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