中国の真実 勇気ある行動 

 1月14日(土)の読売新聞の夕刊の「よみうり寸評」に、1990年代からいまに至るまでの中国の農村事情をつぶさにレポートした「中国農民調査」(著者 陳 桂棣、陳 春桃 文芸春秋)のことが書いてあった。
 興味がわいたので、インターネットで買ってみようかと、アマゾンで検索した。
 すると、ユーズド商品しかなく、それも実際の定価が2,900円なのに7,978円になっている。
 中国では、あまりにひどい真実ばかりが書かれていたため発禁処分になったので、その影響で日本も売れなくなって、中古品でさえプレミアがついて売り出しているの・・・?
 でも、日本は恵まれていることに、いったん出た情報を止めることは、真実の情報であれ誤った情報であれ、できないはずである。なのに、なぜ?
 もし、日本がそんなことになっていたら・・・?空恐ろしいこと・・・。

 中国のことを言えば、本を発禁処分したりしていることだけで、何だか鳥肌が立ってしまう。中国の人達一人ひとりの人が嫌いなのではなく、そういう体制をずっと続けていながら、国連常任理事国で、核保有国であることを毛嫌いしてしまう。
 中国国民一人ひとりには、本当に同情するが・・・。
 アジアの隣人を大切にというなら、まず、中国が核保有などやめて欲しいものだ。
 で、本の内容はというと・・・

 中国屈指の穀倉地帯で作家夫妻が3年間暮らし、その実態を赤裸々に報告した書。
 農民をだまして土地を取上げ、搾取する地方官僚とその手先となったヤクザがどこにも存在し、義憤にかられて抵抗すると、殺されたり、滅多打ちにされる。まるで半世紀以上前のようなありさまだった。
 本書は昨年1月に中国で出版され、大反響を呼び、のちに当局により発禁処分となった。世界中のノンフィクションを対象に選ばれる「ユリシーズ賞」受賞作。現代中国を語るときの必読文献である。(SO)
文芸春秋HP:http://www.bunshun.co.jp/book_db/html/3/67/72/4163677208.shtml

 なぜ、こんなに中国に関心を持っているかというと、日本だけでなく、アメリカもそうだというが、経済面では中国の安い労働力を当てにして、大企業も中小企業も経営を行っているという事実があるからである。しかし、当てにされている中国の危うさは、東西冷戦時代の安定に比べて、一部の民衆が経済政策の変更やインターネットなどで国境を越えて情報を入手できることになり、逆に不安定になっていると感じる。
だから、農民の蜂起、貧富の差による暴動、民主化運動が、いつ起こってもおかしくはないと思うからである。
 そのために、是非、企業経営者の皆様にはリスクの分散をして欲しいと思う。短期的なことにとらわれず、長期的な目でみて、中国とのかかわりを考えていかないと、足元をすくわれるのではないかと危惧している。

 アマゾンで本がなかったが、紀伊国屋セブンアンドワイを検索したら定価で購入できるようなので、早速購入した。・・・・アマゾンは、一体どうしたの?
 届いたあとじっくり読んでみるつもりだが、著者の陳夫妻には、読む前から、3年にわたるルポへの取り組みに対する尊敬の念と、発行した勇気を感じる。
 「よみうり寸評」を書いた記者が、「足で稼ぎ、心で見る。ルポタージュの原点がある。」と書いているが、新聞記者の皆さんには、是非、見習っていただきたいところである。
 特に、中国との関係において、日本の非ばかりを報道し、中国を礼賛している新聞社やテレビ局には、・・・と感じているのunizouだけだろうか?