炎のコバケン

 仕事を終え、夜日本フィルハーモニー交響楽団定期演奏会に出掛けて来た。
 指揮者は、「炎のコバケン」こと小林研一郎氏、生で演奏を聴くのは今回が初めてだった。
 小林さんの全身を激しく動かした力強い指揮、一転して軽やかにダンスを躍りながらの指揮を見ているとそのキャッチフレーズはピッタリだった(今回はうなり声は聞こえなかったが(指揮の際、身振りが激しいだけでなく、うなり声が大きいことでも知られる。))。
 また、曲と曲の間に何度も小林さんのスピーチがあった。マイクなしのよく通った声で、新年の挨拶にはじまり、コンサートに足を運んだ我々への感謝の言葉が述べられた。
 最後ではなく、曲と曲の間に、指揮者からスピーチのあった演奏会は初めてで驚いた。
 unizouはクラッシックにけっして造詣が深いわけではないが、それでもドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」は、熱気あふれる演奏で、それでいてオーケストラの一体感が乱れることはなく、また強弱の入れ替わり、明暗のコントラストも滑らかに表現されていて、新年の幕開けらしいよい演目だった。
 演奏を終えると会場からひときわ大きな拍手が送られる中、小林さんは、狭いオーケストラの中を駆け回って、演奏者ひとりひとりの所まで行って、その演奏をたたえていた。
 今後の抱負を述べた後、アンコール演奏、その際のコメントが非常に印象的だった。
 「では心を静かに『ダニーボーイ』を聞いてください。」と1曲目、そして「このままではお別れしにくいので、「最後に『ハンガリー舞曲』をやらせていただきたいと思います」と2曲目。
 舞台の上にいる人達と、観客の距離が縮まった感じがするコンサートだった。 
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