小泉チルドレンと経済

 最近、読売新聞の朝刊で、「政治の現場 続小泉チルドレン」という特集をしている。
 今日は、「保守派弁護士の戸惑い」というテーマで、小泉チルドレンの新人衆議院議員で弁護士の稲田朋美議員に関する記事だった。
 記事の内容は、国益を守るために議員になった稲田議員の保守思想と地元の有権者の期待とのギャップについて、次のような一言で象徴されていた。

稲田に地元対策を指南している元福井県議会議長・山本芳男は、「保守思想なんて、国では売れても、地元では売れない。もっと農業や少子高齢化対策に取り組んでほしい」と渋い顔だ。

 今、中小企業診断士講座の講義は、経済学・経済政策のマクロ経済学を学習である。
 そして、まさに乗数効果で政府支出を学ぶところである。
 古典派経済学では、「労働の供給と需要は、賃金が高くなることによって、労働の供給が、労働の需要を超えて『超過供給』になり失業が発生するが、いずれ『価格調整メカニズム』により現行の賃金水準より安くても働きたいという人が出てきて失業が解消し、労働の供給と需要が均衡することになる。」という考え方であった。
 しかし、ケインズは、「価格調整メカニズムは十分に機能せず市場の力だけでは失業の解消をすることができないため、政策的(公共投資などの政府支出)に解消する以外にない。」と主張した。そして、実施された政策で有名なものが、ニューディール政策である。
 現在では、マネタリストが、財政政策の無効性を主張し、政府支出が多額の債務を生んだことから小泉首相が言うところの「小さな政府」を掲げられるようになった・・・。

 話しは元に戻るが、地元に帰ると地元対策の話になってしまう稲田議員をはじめとする国会議員の皆さんには、本当にお気の毒としか言いようがない。そして、そのことは、大局的・長期的な目で見れば、unizouを含め国民全体にとっても大きな損失ではないかと感じる。
 今までの財政支出がそうだったではないか。短期的・局地的な財政支出は、一時的には地元を潤し経済の成長を促進した、しかし、場当たり的で、国民全体にとっても、地元にとっても、マイナスの効果の方がはるかに大きく、地元のやる気や工夫する姿勢を失わせ、「シャッター通り」の商店街、後継者のいない農業など、地元経済の凋落を招いた。
 経済面で言う政府支出だけでなく、国のあるべき姿や国民の有り様、国と国民の関わりをきちんとし、国民が自助努力や自己責任を理解し、国民一人ひとりの手で経済を引っ張る力を持たせることが、長期的・大局的に見れば、地元にとっても、国全体にとっても、豊かな暮らしができる社会を育むことができると思うのだが・・・。
 これは、国会議員だけでなく、県議会議員や市町村議員の皆さんにも、是非考えていただきたいことではあるが・・・。

 昨年の12月から大雪で孤立している地域もあるが、そういった地域の人達の暮らしは、不便で経済的な豊かさはないと言われ、政府による補助が必要がなのだろうか?
 大雪の中で孤立していても、生死に関わりさえなければ、それはそれで、家族のつながりや豊かな時間を味わうことができて楽しいのではと思うのは、他人事だからだろうか・・・?
 世の中の人のしあわせに対する価値観は、お金がたくさんあるかないかだけでは語れない多様なものだと思うので、そういった状況を幸せだと思う人がいてもおかしくはないと思うのは、unizouだけだろうか・・・。