完全失業率〜労働力調査〜 

 「経済学・経済政策」の講義、雇用に関する経済統計で、完全失業率を学んだ。
 日頃、ニュースや新聞紙面でよく目にする言葉だが、どのように集計され、算出されているか意外と知らないものだ。
 完全失業率とは、働く意思がある人全体に対する職がない人の割合。
 就業・不就業の実態を明らかにすることを目的として、総務省統計局が、毎月調査し、「労働力調査」として、調査月の翌月末に発表している。
 調査期間となる毎月末の1週間に求職活動をしたが、仕事が全くない人(完全失業者)の数が分子で、15歳以上の就職者と完全失業者の合計数(労働力人口)が分母となる(完全失業率=完全失業者÷労働力人口)。求職活動をしない主婦などは完全失業者に含まれない。
 完全失業者とは、現在仕事をしておらず、仕事があればすぐ就くことができて、仕事探しをしている15歳以上のすべての者と定義され、基本的に収入がない人のことを示す。収入額の大小が、消費量の大小に影響を与えることから、個人消費の動向を測るための指標にもなっている。
 平成17年11月の完全失業率は4.6%で、就業者数は6344万人、完全失業者数は292万人となっている。
 バブル崩壊以降、完全失業率は悪化し、平成14年6月と8月、15年1月には5.5%に達した頃に比べると改善されてはきているものの、楽観視はできない。
 というのも、15〜24歳の完全失業率は、11月では、7.9%(原数値ベース)で、全世代のうち、最も高水準にある。しかもこの層は、有効求人倍率が全世代で最も良いにもかかわらずだ。求人があるのに仕事に就けない『雇用の不適合』が存在している。
 また、いわゆる「ニート(=学校にも行かず、働いてもいないし、職業訓練にも参加していない若者)」と呼ばれる人達は、完全失業者には含まれていない。彼らは、求職活動をしていないためだ。
 加えて、調査期間中に少しでも収入になる仕事をすれば、完全失業率を計算する仕組み上、就業者とされる。このため、フリーターなどで、就業者にカウントされた人も出てくることになる。
 現実の就業・不就業の実態と失業率の数値との間には、乖離があるようだ。
 折しも、今日は成人式、今年を20歳で迎えた新成人は全国で143万人いると言う。
 彼らが、精神的に、社会的にそして経済的に独立した真の大人になるため、自分なりにやりがいのある仕事を見つけられるようにと思いながら、全国の成人式の様子を告げるニュースを眺めていた。
 http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm