仏像にハマるvol.5

 年末年始の休暇に入って、故郷へ帰省されている方も多いのではなかろうか。
 日頃の喧騒を尻目に、久しぶりに地元の寺社仏閣を訪ねてみてはいかがだろう?
 灯台下暗しな発見があるやもしれない。
 そこで、今日は仏像の中でも、TOP OF THE TOP、宝塚的に言えば、仏組トップスターの釈迦如来について書こうと思う。
 もともと如来とは、仏陀の別名で、仏陀とは悟りを開いた人という意味の言葉。
 釈迦如来は、言わずと知れた仏教の始祖で、古代インドの実在の人物、ゴーダマ・シッタルダのこと。
 生まれながらにして諸人にすぐれた肉体と精神を持ち、しかも一生を修行と苦行に過ごした超人の姿が仏陀の像の全ての基本となっており、基本的に髪も結わず、一切の装身具も付けず、ただ一枚の納衣をまとっただけの姿をしている。
 目に見える特徴としては、耳朶(みみたぶ)が長く、螺髪(らほつ)は右旋そ、肉髻(にっけい、頭頂部に一段高く碗形に隆起している部分)がある。
 右手は施無畏印(せむいいん)、左手は与願印(よがんいん)を結び、両手の指をのばし、手のひらを開いたその形は、人々の苦しみを取り除き、その願いを聞き届けてくれることを表しているといわれる。
 三尊形式(釈迦三尊像)をとる場合は、その脇侍は、文殊菩薩普賢菩薩が通例であるが、薬王菩薩・薬上菩薩のこともある。文殊菩薩もんじゅぼさつ)は、仏のうちで一番秀才といわれ、右手に剣を持ち、獅子に乗って颯爽とした姿をしている。一方、普賢菩薩(ふげんぼさつ)は、実行力にすぐれていて、女性を守ってくれる仏、六牙の白い像に乗って現れる。
 さらに阿南・迦葉の2尊者(ともに十大弟子)を加えた五尊像や、十大弟子天竜八部衆を加えた群像もある。
 ここで面白いのは、三尊像となる場合に如来ごとに脇侍が決まっていることだ。
 そして如来の脇侍は必ず菩薩で、明王や天はと脇侍とならない。
 釈迦如来なら文殊菩薩普賢菩薩薬師如来なら日光菩薩月光菩薩阿弥陀如来なら観音菩薩勢至菩薩と言う風に。
 だから、あるお寺で、普賢菩薩が奉られていたら、もしや昔は釈迦如来文殊菩薩も共に奉られていらのでは?と思いをはせることができる(もちろん、安倍文殊院のように文殊菩薩がご本尊である場合を除くが。)
 余談だが、十大弟子の中のひとりに羅睺羅(ラゴラ)という人物がいる。彼は、釈迦が出家前に妃ヤショーダラーとの間に生まれた子である。しかし、羅睺羅は釈迦の実子であったが、出家後はけっしておごることなく、規律をよく守って「密業第一」と言われた。
 最後にunizouの好きな釈迦如来釈迦三尊像を紹介しよう。
・ 釈迦如来座像(室生寺)(http://www.murouji.or.jp/hotoke/syakazazoh.html
釈迦三尊像法隆寺)(http://www.kcn.ne.jp/~kingyo/KONDO.htm
【参考文献】
・ 「仏像のみかた」保育社カラーブックス
・ 「仏像」保育社カラーブックス
・ 「仏尊の事典」学研
・ 「ぶつぞう入門」奈良国立博物館