日本最古の会社

 「高松建設、日本最古の建設会社・金剛組から営業譲渡」
 12/14の日経新聞に取り上げられていたこのニュースに目を見張った。
 記事の詳細は次のとおり。

 中堅ゼネコン(総合建設会社)の高松建設は14日、寺社建築の金剛組大阪市)から来年1月に営業譲渡を受けると発表した。譲渡額は未定。創業1400年余で日本最古の企業とされる金剛組は特別清算する見通し。高松建設は11月に設立した同名の新会社を受け皿に、1月16日付で社員や受注済み工事、負債の一部を引き継ぐ。
 新会社の社長には高松建設の小川完二副社長が就いた。金剛組の第40代当主である金剛正和社長は旧金剛組清算とともに退く見通し。
 高松建設は老舗企業の事業を譲り受けることでブランド力の向上を図るほか、寺社仏閣建築や文化財建造物の修理・復元にたけた宮大工の技能伝承にもつなげたい考えだ。
 金剛組聖徳太子四天王寺大阪市)を建設するため朝鮮半島百済から招いた宮大工が578年に興したとされる企業。現在、日本にある法人の中では最も長い歴史を持つといわれる。バブル期の土地購入で借入金が膨らみ、自力再建が困難になっていた。2005年4月期の売上高は約75億円で、従業員は約100人。

 目を見張ったというのも、「日本最古の建設会社」、「創業1400年余」、「第40代当主」というただならぬ言葉たち。
 会社のHPを見ると、更に驚く(http://www.kongogumi.co.jp/home.htm)。
 そこには、創業:飛鳥時代第30代敏達天皇6年(西暦578年) と書かれていた。
 こんな長い歴史を刻んできた企業があったとは正直驚いた。
 けっして平坦な道ではなかったろう。  
 HPの「沿革」にも、1400年の歩みが苦労と共に掲げられていた。
 そのような会社が、特別清算をし、営業を譲渡すると決めたと言う。
 過去1400年で最大の危機だったということか。
 中小企業の倒産が依然止まらない。
 倒産の裏で、長年積み上げてきた技術が失われていくのだ。
 これまで、その技術をベースに新しい産業が生まれて行ったことにも目をつぶるかのように。
 幸い、「金剛組」の名は営業譲渡先でも残るという。
 仏像好きなunizou。
 日本最古の木造建築物であり、仏像の宝庫でもある法隆寺
 607年(推古15年)、四天王寺に遅れること14年。
同じく聖徳太子の命により創建された法隆寺も、金剛重光とともに百済より渡来した二名の工匠たち(うち一名は山城の国に赴任)の手によるものと言われているのだそうだ。
 四天王寺法隆寺
 日本建築を代表する寺社仏閣を築いた工法が失われかねなかった今回の営業譲渡劇。
 世界に誇れる技術がこう言っている間にも失われていっているかと思うと、その保存に対する意識を改めていかないといけない。