介護の話vol.1「さすが、プロ」

 この春unizouの会社を辞めたアルバイトのTさんが、久しぶりに職場に姿を見せた。
 現在、彼女は、大手訪問介護サービス会社に正社員として勤務していると言う。
 職場を去るしばらく前から、ホームヘルパー2級の資格を取得するため勉強していると聞いていた。
 職場を辞める際の理由も、「ヘルパーとして働きたいから。」であった。
 そして、しばらく介護スタッフ(ホームヘルパー)として、在宅での生活を支えるために必要な生活援助(調理・洗濯・生活必需品の買い物、掃除等)や身体介護(食事介助・清潔の介助・排泄介助等)をしてきたという。
 そこへ会社から、正社員としての採用の声がかかったのだそうだ。
 今は自ら訪問介護を行うほか、介護プログラムの作成や介護スタッフの指導・育成、管理といったマネジメント業務を行っているという。
 彼女は、とても働き者、仕事の切り盛りも上手、性格もさっぱりしていて、一緒に仕事がしやすい人だった。
 そして何より、常に問題意識をもっていて、アルバイトであっても社員に対し、仕事の改善点をさりげなく指摘してくれる貴重な人だった。
 だから、会社から正社員の声がかかるのも当然のような気がした。
 彼女は、既に子供が社会人となって巣立ったのを機に、自分の人生を考えたそうだ。そして選んだのがヘルパーの道。
 正社員の話は、彼女も悩んだとも言う。
 正社員となれば、当然責任も重くなるし、生活それ自体が変わってくる。
 でも、彼女にはマネージャー業務という仕事がとても魅力的に見えたと言う。
 今はとても忙しく、体力も相当消耗するが、充実した毎日で、ご主人の理解得られているそうだ。
 7日付の読売新聞朝刊に、「ヘルパー4割、セクハラ被害」という記事が掲載されていた。
 難しいのは、寂しさから触れ合いを求めているのか、セクハラなのかを見極めることだとある。
 早速彼女に現場の声を聞いてみた。
 「私の場合、自分から先に挨拶のように明るく冗談交じりでハグしちゃうの。そうすると利用者さんのほうがびっくりしてそういうことなくなるのよ!」
 「一番大変なのはしっかり主婦業をやってきた元気なおばあさん。掃除の作法や料理の出来ばえに厳しくって(笑)。」
 さすが、プロ!