観光資源

 今日の朝日新聞の12面「私の視点 〜今自治体で〜」に、「外国人観光客 受け入れ態勢の充実課題」というテーマで土野守高山市長が寄稿されていた。

高山市は、観光客が年間300万人を越え、観光地として全国区になっている。
とりわけ、ここ10数年で外国人観光客が2倍以上に増えた。
昨年は6万人の外国人観光客が訪れたが、日本を訪れる外国人観光客が600万人なので、100人に一人が高山市を訪れたことになる。そして、今年は、8万人を超えそうな勢いである。
なぜ、多くの外国人観光客が高山市を訪れてくれるのか。

  • 市民が暮らしやすいまちであれば、訪れる観光客にとっても来やすいまちになるということから、バリアフリーのまち作りを推進した。
  • 外国人観光客に対しては、インターネットによる情報発信をしているが、高山市の観光案内は、英語、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語、ドイツ語など10言語に対応している。
  • 官民一体となり、台湾・中国などの東アジア観光展・観光博に毎年、単独で出展している。同時に、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなどに対しても、積極的に飛騨高山のPRと観光客の誘致に努めている。

 観光客の減少は、バブル経済の崩壊による景気の低迷で、どこの観光地に行っても見られる。unizouが以前行っていた信用審査は、長野県の長野市を中心としていたので、戸倉・上山田温泉などの観光地の旅館やホテルを多く抱えていた。
 しかし、どの旅館や・ホテルも観光客の減少で、収入は伸び悩み、経営状態は芳しくなかったように思う。
 その当時、感じていたことは、1件の旅館やホテルが努力しても、なかなか、観光客を増やすことは難しいということだった。
 観光客は、その旅館のサービスを受けようと来るのだろうが、当然、その旅館やホテルに行き着くまでに、まちや自然などの景観を目にする。
 しかし、そこは、いつも住んでいる町並みと変わらない、雑多な町並みと車が排気ガスを出して走り、ごみが捨てられている状況である。
 ディズニーランドに行きたい人は、きっと、いつもの風景でない別の風景を求めて、癒されているのだと思う。
 であれば、一体全体、誰が、わざわざお金を出して、日常生活と同じような町並みや景観を見に出かけるだろか?
 諸外国の観光地はその点は徹底しているように感じる。観光地全体を観光地としているのだ。
 きっと、土野高山市長の取組は、そういったことも踏まえてのものなのではないだろうか。
 ここ数年、政府も「ビジット・ジャパン・キャンペーン」に取り組んでいる。
 豊富な観光資源を持ちながら、それを生かしきれていない日本は、今後、官民一体となって取り組んでいけば、もっと多くの方が訪れる観光立国になると思う。
 そして、外国人だけでなく、日本人観光客の回帰にも繋がるのではないのだろうか。