ブッシュ大統領に陪審員の呼出し?

 先週2日のニュース、アメリカのブッシュ大統領が、地元テキサス州の裁判所から裁判の陪審員になるよう、呼び出しをうけていたことがわかったという。
 驚いた!大統領も陪審員に選ばれるとは…。
 アメリカでは、陪審員は選挙人名簿などをもとに無作為に選ばれるため、今回、ブッシュ大統領は、地元テキサス州の裁判所で5日に行われる予定の法廷に陪審員として来るよう求められたのだそうだ。
 ただ、5日はノースカロライナ州で演説の予定があり、マクレラン報道官によると、大統領は「日程の調整を裁判所にお願いした」そうだ。
 郡判事は、「国家運営は陪審員としての務めより優先される」と大統領の多忙さに理解を示しているが、陪審員の公平な選出は陪審制度を支える核と言え、報道官も「陪審員としての務めは市民の重要な責務」と大統領の出廷を強調した。
 なんと、ブッシュ大統領州知事時代にも呼び出しを受けたこともあるそうで、そのときは、知事の権限との関連を理由に辞退。
 大統領には飲酒運転で逮捕された過去があり、最終的な陪審員選びのための質問で根掘り葉掘り聞かれるのを嫌ったとの指摘もあった。
 日本でも、平成16年5月21日,「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が成立し,5月28日に公布された。
この結果,平成21年5月までの間に裁判員制度がスタートする。
 裁判員制度は,国民から無作為に選ばれた裁判員が,殺人,傷害致死などの重大事件の刑事裁判で裁判官と一緒に裁判をするという制度。
 裁判員制度の導入により,国民の感覚が裁判の内容に反映されることになり,国民の司法への参加が大きく進むことになる。
 裁判員が選ばれるシステムは、まず選挙権のある人を対象に地方裁判所ごとに抽選で候補者名簿が作成され、事件ごとにくじで裁判員候補者が選ばれる。
 候補者になれば、裁判所に出頭しなければならない。
 そして、候補者の中から事件の関係者などが除外され、辞退希望者の理由などが考慮され、6人の裁判員が決定し、裁判は3人の裁判官とこの6人の裁判員によって行われることになる。
 年間の該当刑事事件数を2814件(平成14年)と仮定し、裁判員6人、裁判員候補者30人とすると、20歳から69歳までの国民が一生のうち裁判員の候補になるのは13人に1人、裁判員となるのは67人に1人という試算になるそうだ。
 13人に1人、けっして他人事ではない。
 大統領も既に2回も候補者になっているのだから。