製品とサービス

 楽天三木谷浩史社長、ライブドア堀江貴文、そして、村上ファンド村上世彰社長。
 ここ数年、世間を賑わしている風雲児たち
 所詮、庶民感覚しか持たないunizouの知る世界ではないが、ものづくりやサービスを重視しない経済になったら、このまま世界はどうなっていくのだろう?と、強い不安を駆り立てる要因をつくっている人たちである。

 企業経営理論で学んだフィリップ.コトラーは、マーケティングを次のように言っている。

マーケティングとは、個人や集団が、製品及び価値の創造と交換を通じて、そのニーズや欲求を満たす社会的・管理的プロセスである。

 「製品及び価値の創造と交換」をするのは、本当は直接であるほうが良いが、ニーズや欲求は多様で、それを求める人たちも広範囲になった現代社会においては、ITを駆使したり、中間業者が必要になったりするのは、当然であるかもしれない。
 しかし、ものづくりをする人たちやサービスを提供する人たちよりも、それに乗っかる人たちが、世の中で幅を利かすようになることは、誰が偉いとか偉くないとかいうことではないが非常に問題があると思う。
 そして、株や土地が、ばば抜きのように、落ち始める寸前で売り抜けた人が、勝利者になる世界も問題ではないかと思う。
 実体のないものが、世界を動かし始めているのである。

 なぜ、そう思うのか?
 遠まわしな話になるかもしれないが、こんな感じである。
 都市型農業を行っている人たちは、実際に農業を行っている人は少なく、アパートやマンションのオーナーになっている。農協も農業に関するアドバイスよりも、資産運用のアドバイスをするほうがきっと多い。
 都市型農業を営む人たちは、後継者もいなければ、自身が農業生産性を高めていく工夫もなく、農業を本業とはしていない。それでも、生きていけるのだから、彼ら自身は特に問題はない。問題なのは、相続税や固定資産税が上がって、土地が所有できなくなることである。
 そこに、汗水たらして働かない一団が出来上がる。

 一方、汗水たらして働くサラリーマンがいる。彼ら給与所得者の平均給与は、平成16年で439万円だそうであるが、その多くは、きっと、教育費と家賃やローンなど住宅関連費に費やされていく。
 多くのサラリーマンが、えせ都市型農業者のために働いているのである。
 平均給料が今のままでも、住宅関連費や教育費がやすくなれば、それなりに人生をエンジョイして生きていけるだろうに、それどころではない。
 そういったことが、結局、人間のやる気をなくさせたり、モラルを低下させたりしていないのだろうか。

 私たちは、価値あるものに正当な対価が払われていくような社会にしないと、結局、自分で自分の首を真綿で絞めていくように夢も希望もない社会を作り、滅びていくのではないだろうか。
 ものづくりやサービスで勝負することを信念にしている中小企業・・・それこそ、ザ・ミスターORミセス中小企業だと思う。