ポジティブアクション

 unizouの隣の席は、40代後半で支社に抜擢された女性社員である。
 支社への通勤時間が長く、家事・育児をする必要があるため、支店勤務が長〜くなっていたが、家事・育児も一段落し、いわゆる「ポジティブアクション」により初めて支社勤務になった。きっと、この勤務を終えると、それ相応の役職で支店に出て行くのだろうと思う。

 彼女自身は、「ポジティブアクション」により今の仕事をすることになったと意識していないし、上昇志向が強いわけでもなく「この機会を捉えて出世しよう!」という感じは微塵も感じられない。
 仕事が非常に非定型的なものなので、いつも、仕事に追いまくられ、たまに、愚痴っているが、それも、一人で今の業務量をきちんと最後までこなしたいと考えれば、当然なのだろうと思う。

 今までも、「ポジティブアクション」により抜擢された女性を見てきたが、上昇志向が強く、この機会を捉えて何が何でも出世しようと髪を振り乱して男性と同じように仕事をする女性、経験がないために与えられた仕事に耐えられずに脱落していく人、いずれかのパターンだった。
 彼女はいずれにも属さないパターンだった。

 世の中の女性をみると、男性と同じにすることが、自分のやりたいことができること?かのように錯覚しているのではないかと思えることがあったので、彼女は新鮮な感じに映る。
 女性社員に話すことがあるが、“女性”としての感性という武器もあるのだから、それを生かして仕事をしていくことが大事だと・・・。言葉で話すときはそう言うが、文章にするときは、“個々”の持っている感性を生かしてと言うことにしている。“女性”と言う表現にしてしまうと性差別に捉えられてしまうのでそう表現するのだが、ほんとは、大きなくくりで性差があるのは仕方ないと思う。
 そんなことをいつも考えていたら、先日unizouの考えをうまく表現しているのをホームページで見つけた。
 「女性がリーダーシップをとる国、ニュージーランド(畑中美紀)」というテーマで書かれたもので、内容は次のとおりである。

 さて、そんな女性たちをサポートする男性の存在も忘れてはならない。ニュージーランド人の男性たちは「キウイ・ハズバンド」と呼ばれている。「キウイ」とはフルーツのキウイではなく、ニュージーランドの国鳥でもある飛べない鳥のこと。キウイはメスが卵を産むと、オスがその卵を孵化するまで暖め続けるという習性がある。そして、ニュージーランドの男性は、キウイのオスのように、家事や子育てに非常に協力的なところから、「キウイ・ハズバンド」と呼ばれているのだ。

 地元新聞にある男性からの投稿が掲載された。「男は出しゃばらなくてよし。この国の舵取りは、女性たちに任せていればそれでよし」。ちょっぴり自虐的だが、男性たちの本音なのかも。そして、それを知ってか知らずか、女性たちにも「男に負けたくない」といった必死さはあまり見られない。女性が男性をうまく手のひらで転がし、しなやかに、たくましく生きる。フェミニズムや男女平等といったご大層な話ではない。彼女たちが尊重しているのは、一度きりの自分の人生を悔いなく生きること。ただそれだけなのかもしれない。

http://www.excite.co.jp/News/bit/00091132110378.html
「女性が男性を上手く手のひらで転がし、しなやかに、たくましく生きる。フェミニズムや男女平等といった大層な話ではない。」
・・・これこそ、自然の摂理にあった社会ではないだろうか。