本田美奈子 「生と死」
本田 美奈子さんが亡くなり、昨日葬儀が行われた。
彼女が、急性骨髄性白血病で今年1月から闘病生活を送ってきたのは、世間でも良く知られていたことだったようだ。そして、多くの人は、元気に復帰してくると思い、死を想像していた人は少なかったようだ。
彼女は元アイドル歌手であるが、彼女のそのイメージから来るものとは異質な、並々ならぬ情熱と努力で、多くのものを掴んできた。
そして、彼女の歌や芝居に対する姿勢は、壮絶な病気との闘いの中でも変わらなかったという。
だから、彼女の死は、突然ということでもあったが、多くの人が、彼女の生き方を知り、そしてその生き方に共感して、その死を悼んでいるように感じている。
彼女の死を報道しているテレビで、彼女が自分の歌を、「天饗歌」という言葉で表現していたのを見た。
まさしく、彼女は、天に召されて、本当にそこで響きわたるように謳うことになったのかもしれない。
unizouは、純粋な人ほど、神様が、すぐに自分のそばにお呼びになるのではないかと思うときがある。
多くの人は、善い行いをすれば幸福や生が、悪い行いをすれば、不幸や死が神からもたらされると思っているだろう。
だから、お正月には初詣をし、折に触れて、自分が良い行いをすることを約束して、幸福や健康を祈る。
しかし、実際は、本田美奈子さんのように、歌を聴いてくれる人のために純粋に歌い続けていても、神は容赦なく死を与える。それも、壮絶な闘病を強いて・・・。
生と死は、どんなに医学が進んでも、人間の埒外のことなのだろう。
それだけに、今を生きることの大切さが身に沁みる。
幸福か不幸かは、人間の価値判断であり、純粋にひたむきに生き抜くことが、一番大事なのだと思う。
神は、きっと、その人に与えた命の長さも知って、人を生かしているのだろう。
それは、彼女の死が教えてくれている。
彼女の死が、彼女を知らなかった人にも影響を与え、彼女の生き方が多くの人の心に残るっていくことを考えれば、よくわかることだ。
彼女の冥福を祈って、合掌。